軍用地投資とはどんな投資?特徴や実施するメリットなどを詳しく解説
- 投資
2022/05/10
不動産投資と一口に言っても様々な投資対象があります。その中でも「軍用地」を対象に不動産投資を行うのが「軍用地投資」です。本記事ではこの軍用地投資について詳細を解説していきます。
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目次
軍用地投資とは?
初めに軍用地投資とはどのような投資手法なのか、概要を確認していきましょう。
軍用地を買って国へ貸すこと
軍用地投資とは軍用地を購入して国に貸す投資手法です。軍用地とは主に日本に駐在するアメリカ軍、また日本の自衛隊用の土地になります。日本国内には沖縄をはじめとしてアメリカ軍基地が多く存在します。また日本全国に自衛隊の基地も展開されています。
訓練や倉庫用に土地を借りたいというニーズがアメリカ軍・自衛隊側にある状況です。軍用地用の土地を購入してアメリカ軍・自衛隊に貸すことでインカムゲインを得ていくのが軍用地投資の軸になります。
軍用地投資の年間借地料や倍率ってなに?
軍用地投資で押さえておきたいポイントとして「年間借地料」と「倍率」が挙げられます。各ポイントについて、詳細を見ていきましょう。
毎年国から所有者へ年間借地料が支払われる
年間借地料とは、軍用地所有者に対して毎年国から支払われる土地利用料のことです。マンション経営でいうところの「家賃」のようなものとイメージしてください。
年間借地料は8月に1年分の借地料が銀行口座に振り込まれて、翌年の1〜2月ごろに土地の値上がり料金分が追加で入金される形式です。
軍用地の売買価格の決定方法
軍用地の売買価格は民間用の土地とは決定方法が異なります。軍用地の売買価格の決定方法は下記の通りです。
「軍用地の売買価格=年間借地料×倍率」
一般的な土地の売買価格は「坪単価×坪数」で決まってきますが、軍用地の場合は上記の式を使って売買価格を算出します。
倍率とは軍用地の取引基準
軍用地の売買価格の計算式で「倍率」という項目が出てきましたが、この倍率とは「軍用地の取引基準」を表します。軍用地の場所によって倍率の数値は変化します。「返還される可能性が低い=倍率が高い」と考えてください。
ただし返還される見込みの高い地域の土地でも、返還後の土地利用の計画が明確である場合は、土地の価格が上昇することもあります。
軍用地投資の人気がうなぎ上りの理由
軍用地投資は実は不動産投資家の間で人気がうなぎ上りの状態となっています。通常の不動産投資とは少々色の異なる投資ではありますが、なぜ人気を博しているのかチェックしていきましょう。
軍用地の利回りが上がり続けている
軍用地投資が人気を集めている最大の理由は「軍用地の利回りが上がり続けている」ためです。
継続した借地単価の上昇は不動産投資家にしてみれば非常に魅力的です。安定して利回りが上昇していく、安全資産という側面も軍用地は持ち合わせているのです。
軍用地投資のメリット
軍用地投資のメリットとして、下記の点が挙げられます。
・収益が安定している
・空室リスクや滞納リスクがない
・節税対策になる
・換金性・流動性に優れている
収益が安定している
一般的なマンション経営の場合だと、入居者の数や家賃相場の変化などによって収益が変動してしまう可能性が高いです。軍用地投資では国から安定して借地料を得ることが可能です。国が財政的に破綻しない限り、収益を得られると考えて良いでしょう。
空室リスクや滞納リスクがない
軍用地の借主は「国」ですので、一度軍用地を借りた後は必ず借地料を納めてくれます。借地料が納められないとすれば、日本自体が財政的・経済的な危機に陥ったときぐらいです。
このような事態が生じるリスクは、一般のマンション経営における空室リスク・家賃滞納リスクよりは低いと考えて良いでしょう。
節税対策になる
軍用地は固定資産税評価額が低い点も特徴です。固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する際に利用する土地価格の基準値になります。固定資産額評価額が低いほど、固定資産税を抑えることが可能です。
また借地権の節税効果により、相続税評価額は「40%」減少します。半分近く相続税を抑えることも可能です。
軍用地投資は儲からない?そう言われる理由とは
軍用地は収益の安定性、利回りの堅実さで人気を博していますが、中には「儲からない」という意見も見られます。なぜこのような意見が出てきてるのか、理由を確認していきましょう。
リスクが少ない分リターンも多くはない
軍用地投資はリスクが少ない分、得られるリターンもそこまで多くはありません。軍用地投資の利回りは「2~3%」ほどとなっています。東京都など主要都市でのマンション経営の期待利回りが「5%前後」です。軍用地投資は短期的に大きな収益を得る投資としては少々力不足と言えるでしょう。
軍用地投資のデメリットやリスク
軍用地投資には数多くのメリットがありますが、少数ながらデメリット・リスクもあります。
返還のリスクがある
軍用地には常に返還のリスクが生じてきます。年間借地料は「軍用地」の所有者に対して支給されるため、返還されて軍用地でなく一般の土地になると借地料は支給されなくなります。返還リスクも踏まえた上で軍用地投資を行うことが重要です。
軍用地物件の選び方
軍用地物件は下記のポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
・返還予定や返還後の開発予定をチェック
・土地の種別をチェック
・沖縄以外の軍用地
返還予定や返還後の開発予定をチェック
軍用地が返還予定になっていないか、また返還予定の場合は返還後の開発予定がどのように設定されているかチェックしましょう。返還が予定されている軍用地は将来的に借地料を受け取れない可能性があるため、軍用地投資の対象としては最適でありません。
ただし、返還後の開発予定の内容によっては地価が上昇する可能性もあります。魅力的な開発内容になっているか合わせてチェックしておきましょう。
土地の種別をチェック
軍用地投資を行う際は「土地の種別」も忘れずに確認してください。土地の種別によって借地料が異なってきます。可能な限り借地料が高い種別を選ぶのが、軍用地投資で収益を高めるポイントです。
沖縄以外の軍用地
日本には沖縄以外にも全国に米軍基地が展開されています。沖縄のみの軍用地に投資を集中してしまうと、返還交渉が一気に進んだ際に収益がなくなってしまうリスクがあります。沖縄県外のぐ軍用地にも手広くとうして、リスクを低減していきましょう。
投資で老後資金の確保や節税対策をしよう
軍用地投資は、国に軍用地を貸し出すことで借地料を得られる不動産投資になります。利回りこそ一般の不動産投資より低くなっていますが、本記事で解説した通り軍用地投資には多くのメリットがあります。