不動産投資における注意点は?インカムゲインとキャピタルゲインを解説
- 投資
2022/05/10
「人生100年時代」や「老後2,000万円問題」が提唱される昨今において、投資や副業などに注目が集まっています。今回はその中でも、「不動産投資における注意点」について解説をしていきます。不動産投資をはじめる前に確認してもらいたい項目や不動産購入後の運用方法について確認していきましょう。不動産投資の仕組みと注意点を適切に理解しておくことで、不動産投資を失敗に終わらせないための方法をおさえておくことが大切です。
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目次
不動産投資での失敗とは「最終的に赤字になること」
不動産投資をはじめるにあたって、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」という2つの重要な項目が挙げられます。インカムゲインとは、賃料収入から管理費や修繕積立金、金融機関への返済などの支出を差し引いて得られる利益のことです。一方でキャピタルゲインとは、購入金額と最終的な売却金額の差額によって得られる利益のことをいいます。
「不動産投資における失敗」とは、このインカムゲインとキャピタルゲインを総合的に計算し、「最終的に赤字」になってしまうことをいいます。
不動産投資の典型的な失敗パターン4つを紹介
ここからは、不動産投資の典型的な失敗パターンについて確認していきましょう。
ここで紹介する4つのパターンは、不動産そのものを適切に理解できていないため、このような事態に陥ってしまう傾向にあります。不動産投資を検討している方は、現在検討している不動産に当てはめてみて考えるようにしてください。
1.物件を選ぶときの失敗
まずは物件を選ぶときの失敗パターンについて、確認していきましょう。不動産投資における物件は、投資の成否を左右する重要な選択となるため、慎重かつ計画的に選ぶことが肝要です。
また、物件を取り巻く環境や将来性を視野に入れて、物件を選ぶことが重要といわれています。
賃貸の需要がない立地にある物件
まずは賃貸需要のない立地にある物件を購入してしまうパターンは、不動産投資に失敗する一例です。
不動産投資における主たる収益は、賃貸借契約によって発生する賃料収入です。検討している物件の立地には、継続した賃貸需要が見込めるかを確認しておくようにしましょう。
また、賃貸需要が見込める物件の立地としては、「駅距離の近い物件」や「周辺環境において生活インフラが整った物件」といわれています。購入する自分自身が、この物件・立地に住みたいと思える物件であることが一つの目安となるでしょう。
法律や条例に違反している物件(違法建築物)
法令や条例に違反している物件、いわゆる「違法建築物」を購入してしまうケースも不動産投資の失敗例として挙げられます。
違法建築物を購入し、それが発覚してしまうと、その物件の資産価値というのは、一気に下落します。冒頭でも述べたように、不動産投資においてインカムゲインと同様に大切な要素が「キャピタルゲイン」です。
不動産という「資産」を購入して投資をするため、資産そのものの価値にも配慮する必要があり、しっかりとした出口戦略を立ててから不動産投資をはじめるようにしましょう。
瑕疵(かし)のある物件
瑕疵のある物件とは知らずに、購入してしまうといった失敗例も見受けられます。「瑕疵」とはいわゆる欠陥のことを指しており、ここでは「物理的瑕疵」と「心理的瑕疵」について確認していきましょう。
物的瑕疵とは物件そのものの欠陥であり、建物の傾きなどが挙げられ、物件自体の価値を下げる要因となります。一方、心理的瑕疵とは自殺や事件などによって心理的に敬遠されることを指し、賃貸需要に大きな影響を与えることになり、資産価値を大きく下落させる要因にもなります。
これらは購入前に宅地建物取引士が行う「重要事項説明」において、明記しなければならない事項となっているため、必ず購入する前に瑕疵がないかを確認するようにしましょう。
「安い」と思って勢いで買ってしまった物件
不動産市場のなかには、相場と比較しても「安い」と感じる物件が存在します。このような物件において、勢いで購入を決断してしまうことも注意が必要です。不動産において、「安い」という場合には何らかの理由が隠れています。
前項で紹介したように、瑕疵が隠れている場合や近隣に嫌悪施設などが建築予定であり、早期に手放すために安価にしているといったケースなどが考えられます。不動産投資は、「安い」といっても投資全体でみると高額な投資といえるため、物件の決断は慎重に行うことがおすすめです。
2.運用してから利益が出ない失敗
2つ目は、実際に投資用不動産による運用のなかで、利益が出ない失敗例について確認していきましょう。ここでは主として、「インカムゲイン」につながる失敗例を中心に紹介していきます。
税金を考えていなかった
不動産投資における主たる収益が賃料収入であることは先にも述べましたが、支出においては、金融機関への返済や管理費・修繕積立金のほかに「税金の支払い」といった支出項目があることに注意が必要です。
不動産の購入にともない「不動産取得税」を納める必要があり、くわえて不動産所有期間においては、「固定資産税」・「都市計画税」を毎年納めなくてはなりません。これらを差し引いてしまうと、賃料による収益が残らず、赤字になってしまうといった事態に陥ってしまう方々が多くいるため注意が必要です。
経年による維持費が発生するのを考慮していなかった
不動産は年が経過するにつれて、維持コストが上昇する傾向にあることを考慮しておかなければなりません。購入時には利益を得られていても、経年によって維持コストがかさみ、利益が出ないといった局面に陥ってしまうケースも見受けられます。
マンションなどの区分所有の物件においては、築年数が経過するごとに管理費・修繕積立金は上昇する傾向にあります。くわえて、建物全体(共用部分)を修繕するために、「修繕積立一時金」といった突発的な費用が発生する可能性もあるため注意が必要です。
購入時のローン返済計画が甘かった
投資用不動産を金融機関が提供する住宅ローンによって購入する場合には、ローンの返済計画(資金計画)を慎重に行う必要があります。
投資用不動産ローンは、ほとんどは「変動金利」が採用されるため、金利が上昇するリスクが潜在しています。したがって、金利上昇の影響を受けて、金融機関への返済額が賃料収入を上回ってしまうケースも想定しておかなくてはなりません。
このように、住宅ローンを利用して投資用不動産を購入する場合には、ゆとりのある返済計画を心掛けるようにしましょう。
3.仲介・管理を依頼する不動産会社の選定で失敗
3つ目は、依頼をする不動産会社の選定で失敗してしまうケースです。
不動産を購入する際には、不動産仲介業者を通じて物件を紹介してもらうのが一般的です。しかし、自社の利益のみを追求している不動産会社は、顧客や投資家にとってメリットのある物件ではないのにもかかわらず、あたかも有益な物件であるかのように営業を行います。
また、賃貸管理を依頼する不動産会社のサービスが悪く、入居者とのトラブルが絶えないといったケースも見受けられるため、依頼する不動産会社は慎重に選定するようにしましょう。
不動産投資で失敗を挽回するポイント
不動産投資において失敗を放置してしまうと、負のサイクルから抜け出せなくなってしまい、最終的には手の施しようがない事態に陥ってしまうケースもあります。ここからは、不動産投資での失敗を挽回するポイントについて確認していきましょう。
仲介・管理を依頼する不動産会社を変えてみる
不動産会社を変えてみることで失敗を挽回できる可能性があります。賃貸管理会社のサービスに満足していない場合や、トラブルが絶えないといった場合などにおすすめの方法です。
物件を売却する
物件を売却する際には、物件を紹介してもらった仲介業者ではなく、別の仲介業者へ依頼をし、物件を適正価格で売却してもらうことも効果的な方法の一つとされています。
不動産投資において選定する不動産会社は、投資の成否を左右する重要な役割を担うことになるため、まずは信頼できる不動産会社を早期に見つけるようにしましょう。
物件の用途を変えてみる
不動産投資においては、「居住用」などの賃貸向けの投資手法が主たる用途といえます。しかし、継続した賃貸需要が見込めず、空室期間が長期にわたる場合などにおいては、用途を変更してみることも効果的な方法の一つです。
例えば、居住用として運用していた不動産を「事務所」などの用途に変更を検討してみることもおすすめです。または投資目的で購入した物件を一時的に自分の居住用にするという選択もあるでしょう。
物件のローンを繰上返済してみる
インカムゲインによる収支バランスが崩れてしまった場合には、ローンの繰上返済を積極的に行うことも効果的な方法の一つです。繰上返済を行うことによって、月々の返済額を軽減させ、収支バランスを黒字にすることができ、また金融機関に支払う利息分を軽減できます。
この繰上返済は、金融機関によっては無料で行うことができるため、計画的に繰上返済を行うこともおすすめです。
失敗してやめたいときの相談窓口を知っておく
投資に失敗し、不動産投資をやめたい場合の相談窓口を把握しておくことも大切です。
例えば「一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会」では、任意売却や競売などの早期解決方法について助言を行ってくれます。これ以外にも、ローン返済による不安や悩みごとなどにも対応してくれるため、積極的に活用してみることをおすすめします。また信頼の実績のある投資を扱う不動産会社を探しておくというのも手です。
不動産会社との間で重大なトラブルが発生した場合には、1人で対処しようとせず、近くの弁護士事務所などに相談してみることがおすすめです。
失敗パターンから知識を取り入れ成功につなげよう
投資は初めから成功を積み重ね、多額の利益を生み出せる人は少数です。不動産投資の場合でも、先人の失敗パターンから知識を取り入れ、同じ失敗を繰り返さないように注意を払いながら成功につなげることが必要でしょう。
1度の失敗で不動産投資は怖いと思う必要はなく、知識や経験をもとに、より有益な不動産投資ができるようにしていくことが大切です。また、不動産投資で取り入れた知識や経験は、そのほかの投資においても役立てることができます。
不動産投資はプロに相談するのがおすすめ
ここまで、不動産投資における注意点について紹介してきました。昨今においても注目を集めている不動産投資ですが、投資である以上必ず「リスク」が伴います。より失敗しづらい不動産投資がはじめられるよう、的確な助言や提案をしてもらえる不動産会社を見つけることが大切です。不動産投資のプロへのご相談は第一住建にお任せください。第一住建では、創業以来長年の不動産投資実績、不動産管理実績があります。プロのノウハウを活かした不動産投資サービスをご活用ください。