不動産購入時の費用について

不動産購入時の費用について

不動産購入時には物件価格と+αで諸費用がかかることはご存じの方が多いと思います。しかし諸費用の項目はいかがでしょうか。今回は不動産購入時にかかる諸費用の項目を解説していきます。
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不動産購入時の費用

■印紙代
■登記費用
■仲介手数料
■固定資産税清算金
■管理費等清算金
■不動産取得税
■銀行経費
■火災保険
■水道分担金
■引っ越し費用

印紙代

売買契約書に貼付する印紙代のことです。印紙税法で定められており売買契約書記載の金額によって金額が決定します。契約書が2通ある時には、1通ごとに印紙を貼ります。

印紙税額一覧表

登記費用

登記事項に登録するときに発生する費用です。不動産購入時の登記は、前の所有者から売買によって所有者変更となる時の「所有権移転登記」や、今まで誰も所有したことのない不動産を新規で取得する時の「所有権保存登記」、住宅ローンを利用して対象不動産を購入する時に金融機関の抵当権を設定する「抵当権設定登記」などがあります。
司法書士に登記手続きを依頼する時には、登記費用に併せて司法書士の報酬額も一緒に支払います。

仲介手数料

不動産仲介業者に支払う費用です。不動産仲介業者が売主~買主間に入り、広告・案内~契約・引き渡し業務まで行うため、売買契約の成功報酬として仲介手数料を払います。
仲介手数料は宅地建物取引業法で上限額が定められています。

仲介手数料の税率

例えば1,000万円の物件を購入したとすると
1,000万円×3%+6万円=360,000円
36万円×1.1(消費税)=396,000円
396,000円が仲介業者に払う仲介手数料となります。
6万円とは何なのか、図解すると次の通りです。

それぞれ分割して計算することが面倒なので、全体を3%で計算してしまい、帳尻を合わせるために6万円を足しています。仲介手数料の計算式は以下の通りです。

この様に、仲介手数料の金額は取引する不動産の売買金額によって変動するため、当初1,000万円で販売していた不動産でも売買契約時に900万円になっていれば、900万円に対する仲介手数料が支払う費用となります。

固定資産税清算金

固定資産税は1月1日時点での所有者に課税されるため、その年の途中で所有者が変更になっても納税義務は売主にあります。
ただし、引渡し日から翌年末までは買主の所有不動産となるため、引渡し日において年税額を日割りし買主から売主へ支払います。
起算日は、関東は1月1日、関西は4月1日です。

計算例
固定資産税が年額50,000万円の土地、引渡し日が6月1日だとすると…
売主の費用負担期間は4月1日~5月31日まで
買主の費用負担期間は6月1日~3月31日まで(303日間)
50,000円×303/365日≒41,507円
となります。閏年の場合は366日間で計算します。
尚、売主が課税業者(売買金額内に消費税が含まれている)の場合は、建物に消費税がかかります。

管理費等清算金

固定資産税清算金同様、売主が立て替えている金額を支払う費用です。管理費の支払いが生じない戸建にはこの項目はありません。
多くのマンションの場合、管理費は翌月分の管理費を月末に売主の口座引き落としで徴収します。また口座振替の変更手続きに時間がかかるため、引渡し日の日割り分+翌月分の管理費をひと月分売主に支払います。
清算は管理費だけでなく、修繕積立金やバルコニー使用料、専用庭使用料等も対象になります。

計算例
管理費・修繕積立金等の合計額…20,000円
引渡し日 6月15日
管理費の引き落とし 6月27日(7月分)
だとします。6月15日から買主の費用負担期間となりますが、6月の管理費は既に5月末に売主の口座から引き落とされています。
そのため、6月分の清算金は6月15日~6月30日(15日間)分の日割り。
加えて翌月の7月分の管理費を足した金額が清算金の合計となります。
6月分 20,000円×15/30=10,000円
7月分 20,000円
売主へ支払う金額 10,000円+20,000円=30,000円

銀行経費

住宅ローンを利用する時には銀行に手数料・保証料(・場合によっては印紙代)を支払います。手数料に関しては3万円~5万円程度に収まりますが、保証料が借入期間や借入金額によって大きな金額となります。
ご利用になる金融機関やプランによって金額が異なるため、ご検討される金融機関の担当者に見積を出してもらうことをおすすめします。

火災保険料・地震保険料

購入した不動産にかける火災保険・地震保険の費用です。万が一の災害に備えて、物件の引渡し日(所有を開始する日)から保険をかけておくことをおすすめします。
一般的には戸建よりマンションの方がSRC造等のため燃えにくいことから、保険料金が安いことが多いです。反対に木造の築年数が経っている物件などは保険料金が膨れ上がります。
このような保険にはお勤め先で加入している保険と二重になるプランが組み込まれている場合もあります。二重になっているからといって保証金が二倍になることはないので、重複していればどちらかは外すことを検討しましょう。
また保険を決める時には自信の不動産だけでなく、近隣建物との位置関係やハザードマップなども確認してリスクを考えることをおすすめします。
火災保険や地震保険は物件やプランによって大きく異なりますので、ご希望の保険会社で見積を出してもらいましょう。

不動産取得税

不動産を贈与・売買・増築等で取得した時に支払い対象となる地方税です。物件購入時の諸費用はほとんど引渡し日(決済時)に支払いますが、不動産取得税については引渡し日から6ヵ月~1年後に納税通知書が届き、金融機関で納付します。
不動産取得税=不動産の価格(課税標準額)×税率
税率は本則では4%ですが、特別措置により取得日に応じて税率が軽減されます。
平成20年4月1日~令和6年3月31日までに取得したものは以下の通りです。
土地:3%/住宅:3%/住宅以外:4%
一定の要件を満たせば不動産の価格から一部控除することができ、控除額が大きければ不動産取得税は0円となります。

水道分担金

新築戸建を購入し新たに水道を設置する時、中古住宅を購入し既存の水道口径から増やす場合に、水道過入金として水道局に支払う費用です。
既存の水道管をそのまま使用する場合にはこの費用は不要です。地方公共団体によって金額が異なりますので、各水道局のものを調べる様に注意してください。

引っ越し費用

引っ越し業者の繁忙期であれば費用が2,3倍になることもあります。余裕を持って資金計画を組み、早めに費用が抑えられる日程を予約しておくことをおすすめします。

不動産購入のアドバイスは不動産のプロへ

不動産購入時にかかる諸費用の項目について解説致しました。物件価格や対象不動産によって金額が変動するため、ご購入の時には不動産会社に概算の見積もりを出してもらい余裕のある資金計画を組むことが大切です。
税金面での優遇(ローン控除)が使いたいなど、希望がある場合は、対象にならない購入の仕方や不動産もあるので資金計画を組む時に不動産のプロに伝えておいた方がいいでしょう。
参考:不動産購入時の費用について

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