不動産投資のランニングコストとは?マンション所有後に発生する費用目安を紹介
- 投資
2022/09/08
不動産投資において「ランニングコスト」は必ずついてくる言葉であり、ランニングコストを理解しているか、していないかで投資の成否にも影響が出てきます。今回は、ランニングコストの種類や削減方法、注意点について詳しく解説していきます。
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目次
不動産投資の「ランニングコスト」とは?マンション・アパート所有後かかる費用のこと
「ランニングコスト」とは「管理費」や「修繕費」のように、”不動産を取得したあとにかかる費用のこと”を指します。私生活の中で発生する光熱費や住居費、通信費といった「維持費」に近い意味合いがあります。
不動産投資でランニングコストとなる費用|生じる税金と管理費の種類
不動産投資でのランニングコストは大きく「税金」と「管理費用」の2つに分類することができます。「税金」と「管理費用」それぞれについて解説していきます。
生じる税金の種類は主に4種類
不動産の保有期間中に生じる主な税金は「固定資産税」「都市計画税」「所得税」「住民税」の4種類があります。
1.元旦時点で所有していると発生する「固定資産税」
固定資産税は土地、家屋、償却資産に対して課される税金です。1月1日の時点で不動産を所有している人が課税対象となり、税率は1.4%が標準ですが、対象不動産が所在する市区町村によって異なります。納税方法は一括もしくは4期にわけることができ、経費としての計上ができます。
2.都市計画法によって定められている「都市計画税」
都市計画税とは、道路整備などの都市計画事業のために課税される税金であり、市街化区域内の土地や家屋が課税対象となります。固定資産税と同様に1月1日に不動産を所有している人に課税され、固定資産税と一緒に納める必要があります。
3.不動産投資による所得に発生する「所得税」
不動産のある都道府県が課税している税金です。不動産投資以外の本業や副業もあわせた収入から固定資産税や都市計画税などの必要経費を差し引いた金額に対して税率が決まります。
4.自分が住む地域に支払う「住民税」
住民税は自分の居住する地方自治体に納める税金であり、所得税と同様に収入から経費を差し引いた金額に対して課税されます。税率は個人住民税の税率は市区町村税6%、都道府県民税4%のあわせて10%というのが基本です。
生じる管理費の種類は多岐にわたる
不動産運営において最も重要といわれるのが”建物の管理”です。不動産としての価値を維持するにはさまざまな費用が発生します。不動産運営でかかる主な費用についてご紹介していきます。
1.PM業務・BM業務の管理委託に発生する費用
PM業務とは、入居者に対するフォローや賃料の回収、部屋の管理などの業務のことであり、BM業務とは、清掃やメンテナンスなど不動産設備の管理業務のことです。不動産を全て自分で管理する際にはかからない費用ですが、1人で管理するのはかなりの労力や知識が必要となります。質の高い運営を行うためには業者への委託が有効です。
2.所有する不動産の修繕・修理にかかる費用
不動産を運営するにあたって定期的に発生するのが「修繕費」です。建物の老朽化による修繕や設備の修理、交換、また入居者が退去する際の原状回復費用も修繕費に含まれ、壁紙の貼り換えやクリーニングが必要となります。
3.共用部分の水道光熱費
不動産の共用部分で使用する水道光熱費は基本的に所有者が負担をします。主にマンションなどのロビーや通路などに設置している水道や電気の料金があたります。
4.自然災害に備えた損害保険の料金
不動産投資を行う際には、火災や地震のための損害保険への加入も検討しなければいけません。特に日本は地震が多い国であり、いつ地震が発生して所有している不動産が被害を受けるかわかりません。保険料は加入する保険の補償内容によって異なりますが、火災保険だけでは地震の被害までカバーできないので、地震保険にも加入が必要です。
5.減価償却費
減価償却費とは、年数の経過によって価値が落ちてしまった建物の部分を経費として計上する会計処理のことです。不動産投資の際に物件の購入費やローンの元本部分は経費として計上できませんが、劣化によって価値が落ちた建物部分は減価償却費として法律で定められた年数(法定耐用年数)は経費計上ができます。
6.その他の費用
不動産投資の際には部屋の清掃や設備の管理だけでなく、共用部分であるエレベーターやロビー、貯水槽、1階の庭にあたる部分の清掃や点検が必要となります。ロビーの清掃や草むしりなどは自身でも対応できますが、エレベーターや貯水槽は業者に依頼する必要があるので、その都度費用がかかってしまいます。
収支の予測はランニングコストの相場を目安にしよう
安定した不動産投資を行うには収入面だけでなく、出費となるランニングコストの費用を把握しておくことが重要です。不動産投資でかかるランニングコストは家賃収入のおよそ20%〜30%ほどといわれていますが、実際にかかるランニングコストは自身で保有している不動産によって税金や費用が大きく異なります。目安として主にかかるランニングコストの内訳をご紹介していきます。
・管理委託費用:家賃の5%
・修繕やリフォーム費:家賃の5~8%
・共用部分の光熱費:月額約8,000円ほど
・火災保険料:月額約2,000円~3,000円ほど
・固定資産税、都市計画税:不動産評価額の1.7%
・所得税:家賃収入額による
・その他(税理士費、通信費、消耗品費など):利用するサービスや状況による
ランニングコストを削減する方法|コントロールできる費用とは
不動産投資で収入を増やすには手元に入ってくるキャッシュフローを増やすことも大事ですが、手元から出ていくランニングコストを減らすことで利益が増え、還元率が高くなります。ランニングコストを減らすためにコントロールできるポイントをご紹介していきます。
宣伝方法を工夫し入居者募集費用を削減する
空室になっては家賃収入もなくなってしまうので、入居者を得るための宣伝が必要です。入居者募集の業務を全て委託してしまうと広告費が高くかかってしまいます。そのため、自身で手作りのチラシやポスティング、WEBサイトの作成やSNSでの宣伝を行うことで、費用を抑えて入居者を募集することができます。
必要性を考えて修繕・リフォームを行う
不動産を運営するうえでは修繕やリフォームが必要不可欠であり、多額の費用がかかります。建物の老朽化や設備の劣化は対応しなければいけませんが、過剰な修繕やリフォームは要注意です。
委託する部分を見直して管理手数料を削減する
管理会社は会社によってサービスの内容や料金が異なります。建物の清掃や点検など自身でできることは対応し、その他の対応が難しい部分のみ管理会社に委託することで管理手数料を削減することができます。ただし、料金面を気にするあまり、管理会社のサービスが手薄になりすぎるのには注意しましょう。
ランニングコストを経費に計上する
不動産投資でかかるランニングコストの多くは必要経費として計上できますが、全てが計上できるわけではありません。主な「経費にできる費用」と「経費にできない費用」は次の通りです。
【経費にできる費用】
・固定資産税
・都市計画税
・個人事業主税
・管理費
・修繕費
・共有部分の光熱費
・損害保険料
・不動産投資ローンの利息
・通信費
・交通費
・交際費
など。その他にも多数あるので事前に確認しておきましょう。
【経費にできない費用】
・不動産投資ローンの元本部分
・所得税
・住民税
・法人税
・法人住民税
・不動産投資外の費用
など。ここで注意したいポイントが、「不動産投資外の費用」です。経費にできる費用で「通信費」「交通費」「交際費」と記述しましたが、これはあくまで不動産投資に関係する情報を調べるときや業者との食事などがあたります。そのため、それ以外のプライベートで支払った通信費や食事などは経費として計上できません。また、経費として計上するのであれば、事業用の費用と分かるように領収書を保管しておく必要があります。
不動産投資で生じるランニングコストに関する注意点
不動産投資ではランニングコストが発生しますが、いくつかの注意点があります。それでは、主な注意点を3つご紹介します。
不動産投資の減価償却の扱い方
減価償却とは、劣化によって減少していく建物の価値を法律で定められた建物の耐用年数が経過するまで経費として計上する会計処理です。建物の使用可能な期間が1年以上かつ取得金額が10万円以上の場合、減価償却が必要になり、購入した年に一括で経費計上することはできないので注意しましょう。
浄化槽におけるランニングコストの発生
不動産投資を行う物件が浄化槽設置の場合、次のような注意点があります。
・収益物件で下水管に接続されていない物件は汚水の処理に浄化槽が設置されている
・浄化槽の場合は定期的な『保守点検・清掃』が法律で義務付けられている
・点検などには多くの費用がかかる
・不動産投資の収支を圧迫する大きなコストとなる
これらの要因によってランニングコストが大きくなる可能性があるので注意しましょう。
不動産投資のバックアップ体制が万全な会社を選ぶ
管理会社によって手数料が異なり、料金の安さだけで会社を選んでしまいがちです。しかし、不動産投資は長期的なビジネスであり、運営するうえでさまざまなコストがかかったり問題が起こる可能性があります。そのため、しっかりとサポートしてくれるサービスを提供しているのか、長期的にビジネスパートナーとして信頼できる会社なのかという点を重視して会社選びをする必要があります。
不動産投資に迷ったときは
本記事では、不動産投資におけるランニングコストについて、ランニングコストの種類や相場、注意点について解説してきました。ここまでで記述したように、不動産投資ではさまざまな費用や問題が予想される事前に把握しておくべきことが多々あります。
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