不動産投資における雑費とは?注意点や予測方法についても解説
- 投資
2022/08/29
不動産投資を行っていると「経費」と「雑費」の2つの費用項目が登場してきます。ここでは不動産投資における、両者の違いについて解説していきます。また不動産投資の確定申告時には、不動産で得た利益から経費や雑費を差し引いて不動産取得を算出するため、確定申告を行う際の注意点についても確認していきましょう。
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目次
不動産投資における「経費」とは
不動産投資における「経費」とは、不動産所得にかかる売上原価や不動産収入を得るために必要とした費用の額と定められています。
どのような費用項目が不動産投資における「経費」として認められるかについて確認していきましょう。
経費1|減価償却費
減価償却費は、投資対象不動産の耐用年数に応じて毎年、経費として計上できます。減価償却費は、その年に現金の支出があるわけではないものの、経費として計上することができる特殊な費用項目です。
減価償却を計上できる期間は、建物の構造に応じた「耐用年数」というかたちで決まっています。この耐用年数と築年数の双方をもとに費用計算を行います。
経費2|借入金利子
不動産投資を金融機関などから借り入れをして行う場合には、ローンの利子(借入金利子)も経費として計上可能です。
不動産投資ローンを利用して不動産を購入した場合は、金融機関などに毎月継続した返済を行います。この返済金額は元本と利息で構成されており、経費はこの利息部分を指しています。
ただし、不動産投資において収支が赤字(マイナス)の場合には、一定の制限が設けられるため注意が必要です。
経費3|不動産を購入・所有することで発生する租税公課
不動産を購入したり所有している期間において、発生する租税公課(税金)も経費として計上が可能です。
不動産購入時には「登録免許税」や「不動産取得税」「印紙税」が発生します。また不動産所有期間中には「固定資産税」や「都市計画税」を納めなければなりません。
これらの税金も、不動産投資における経費として計上できます。
経費4|保険料
投資用不動産にかけている火災保険や地震保険などの保険料も、保険期間の経過に応じて全額、経費計上ができます。
2つの保険以外にも、不動産オーナーが負担する「孤独死保険」なども経費として計上可能です。
経費5|管理費・修繕積立金
管理費とは、購入したマンションの清掃などを行うための費用を指します。また修繕積立金は、マンションの長期修繕計画に基づいて徴収される費用です。
マンションを購入して不動産投資を行う場合には毎月、上記のようなコストが発生します。これらの費用も経費として計上が可能です。
不動産投資における「雑費」について
不動産投資における「雑費」とは、経費には該当しない費用のことをいいます。このため雑費の適用範囲が広すぎてしまい、具体的にはどのような費用を雑費として計上するのか分からないといった方々も多く見受けられます。
ここからは、雑費として計上することができる費用項目について確認していきましょう。
雑費1|交通費
不動産投資において発生した「交通費」は、雑費として計上が可能です。例えば、投資用不動産の購入を検討する際に発生した移動費や、金融機関との手続きのために発生した交通費が該当します。
ただし、税務調査の際には交通費の用途について質問されるケースもあるため、使った理由や金額などを細かく記録しておくことが大切です。
雑費2|通信費
不動産投資において発生する「通信費」も、雑費として計上が可能です。毎月の通話料や書類の郵送代などが該当します。
ただし、プライベートの利用分との区別が必要です。私用と不動産投資用などのようにパソコンやスマートフォンを分類していない場合には、不動産投資分の金額のみを計上するため按分計算をしなければなりません。
雑費3|新聞図書費
不動産投資のために情報収集を目的とした、新聞代や図書費なども雑費として計上可能です。不動産投資の専門雑誌や統計資料などが該当します。
ただしあくまでも、不動産投資に関連するものに限定されるということに注意が必要です。
雑費4|接待交際費
「投資用不動産の出口」いわゆる売却時に発生することが予想される「接待交際費」も雑費として計上できます。具体的には、当該不動産の購入希望者や不動産会社などとの飲食代です。
不自然に高額な接待費用を計上している場合は、税務調査が入る可能性があります。このため、誰といつ食事をしたのかが分かる領収書を保管しておくことがおすすめです。
雑費5|消耗品費
「消耗品費」も雑費として計上できます。消耗品費とは、不動産投資のために購入した10万円以内のパソコンやスマートフォンなどが当たります。10万円を超える物においては、備品などとして扱った上で減価償却が必要となる点に注意しましょう。
また管理組合などで使用するコピー用紙や筆記用具など、細かいものについても計上が可能です。
その他の費用
これまで紹介してきた費用以外にも、不動産投資に関連する費用であれば雑費として計上できます。ポイントは「不動産投資」において発生した費用であることです。このポイントを忘れないようにしましょう。
雑費を計上するときに注意すべき点
雑費を計上する際に注意するポイントについて確認していきましょう。
「雑費」は可能な限り少なく計上
手広く雑費として計上してしまうと、不動産投資におけるキャッシュフローの実態も把握しにくくなるため、原則として雑費は可能な限り少なく計上し「経費」として計上することをおすすめします。
雑費の目安と上限
雑費として認められる月額の目安は、区分マンション1物件あたりで2万円程度です。このため1年を通して25万円前後を目安として抑えておく必要があります。
投資用不動産を複数運用している場合には、25万円以上の雑費が計上されるケースも十分想定されるため、あくまでも目安として押さえておきましょう。
雑費が多い場合には、税務調査の可能性も
雑費の費用計上が多い場合や税務署担当者が疑義を感じた場合には、税務調査が入るケースもあります。
万が一税務署から用途の確認を求められたときに備えて、領収書などの費用の用途が証明できるものを保管しておくことが大切です。
確定申告時に注意すべき3つのこと
ここまで解説してきた雑費の計上は、確定申告時に使用します。
適切に確定申告を行うために注意すべき点を3つ紹介します。
1.申告期限の厳守
1つ目は、申告期限の厳守です。確定申告は1年に1度行う必要があり、提出期限を過ぎてしまうとペナルティが課されます。所得税の申告期間は通常、2月16日から3月15日までに税務署に申告しなければなりません。
また誤りや申告漏れがあった場合には、手続きが完了しないため時間にゆとりをもって手続きを行うようにしましょう。
2.公正な申告
本来、確定申告が必要であるにも関わらず申告を怠った場合は、脱税行為とみなされます。また雑費や経費は多ければ多いほど節税効果につながりますが、故意に所得を低く申告し、それが判明した場合にはペナルティの対象となります。
不動産投資の本来の目的は、不動産経営における収支が黒字化していくことにあります。投資目的の本質を見失わず、公正な申告を行うことが大切です。
3.専門家への相談
不動産投資をきっかけに確定申告をする場合、多くの方々がどのように申告をすればよいか迷ってしまうケースが多々あります。その場合は、まず税理士に相談することをおすすめします不動産会社に相談した上で、その分野に強い税理士を紹介してもらうのもよいでしょう。
また近くに税務署がある場合には、税務署担当者に直接問い合わせてみることもおすすめです。
正しく「雑費」や「経費」を計上しよう
不動産投資における雑費の対象範囲は曖昧です。そのため、健全な不動産経営を行うためには、費用の用途を明確にさせておく必要があります。INOVE(イノベ)を運営する第一住建では50年の不動産投資、管理に信頼と実績があります。不動産投資に関するお悩みにお応えしますので、お気軽にご相談ください。