不動産投資ローンを組むメリットや審査基準について詳しく解説します

不動産投資ローンを組むメリットや審査基準について詳しく解説します

不動産投資は金融機関で不動産投資ローンを組むことで、自己資金をほとんど使わずに資産運用ができます。そのため、投資当初から多額の自己資金を用意することが難しい30、40代の会社員を中心に注目されている投資方法です。
この記事では不動産投資ローンについて詳しくご紹介します。不動産投資を成功させるために必要な知識なので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事はINOVE(イノベ)が提供しています。INOVEは第一住建グループが運営する新しい不動産総合サービスです。

不動産投資ローンは賃貸物件の購入を目的としたローン

不動産投資ローンとは、不動産投資をする目的で金融機関から受ける融資のことです。投資物件をローンで購入する場合は、住宅ローンではなく不動産投資専用のローンを組む必要があります。不動産投資ローンは購入物件の内容(戸建orマンション、1棟or区分等)ごとに金融機関の審査基準が異なります。
なお不動産投資目的にも関わらず住宅ローンを組んで投資物件を購入する場合、重大な契約違反になる可能性があるため注意が必要です。

不動産投資ローンを組む3つのメリット


みなさんの中には不動産投資はローンを組まずに全額現金で物件を購入して取り組んだほうがよいと思っている方もいるでしょう。結論からお伝えすると不動産投資ローンを組んで取り組んだほうが、全額現金で購入して取り組むよりもメリットがあります。今回はそのメリットについて3つご紹介します。

①レバレッジ効果で資産を増やせる

1つ目のメリットは、ローンを組むことでレバレッジ効果が得られることです。その効果によって資産を増やすことができます。レバレッジ効果とは「テコの原理」のことです。これは小さい力で大きな効果をもたらすという意味で使われます。不動産投資に置き換えると「少ない自己資金で大きな収益を得る」ということになります。
では具体的に、5,000万円の物件の年間家賃収入が100万円の物件を購入する場合を考えてみましょう。

・全額自己資金の場合の利回り
100万円 ÷ 5,000万円 = 2%
・4000万円の借入をして自己資金1,000万円で購入した場合の利回り
100万円 ÷ 1,000万円 = 10%
このように、借入を利用した方が自己資金に対する利回りが高くなるため投資効率を上げることができます。それだけでなく、金融機関で不動産投資ローンを組めば単純に資金を増やせるため、より大きな収益を得ることができます。

②手元に資産を残すことができる

2つ目のメリットは、不動産投資ローンを組むことで自己資金を抑えて不動産投資に取り組めることです。これにより手元に現金を残すことができるため、突然の出費にも対応することができます。
不動産投資は運用中に物件の修繕や空室により急な出費が発生する可能性があります。そうなった場合、自己資金に余裕がなければ支払うことができません。突然の出費に備えて余剰資金を準備しておいた方が健全な運用をすることができます。ちなみに準備しておいた方がよい自己資金額については投資物件によって異なるため、物件の販売会社の担当者に事前に確認しておくことがおすすめです。

③団体信用生命保険(団信)に加入できる

3つ目のメリットは、ローンを組むことで団体信用生命保険(団信)に加入できることです。団体信用生命保険(団信)とは、ローンを組んだ人が返済期間中に病気や事故等で重度の障害を負った場合や、亡くなってしまった場合に、その時点の借入残高分を金融機関へ弁済してくれる保険です。
この団体信用生命保険に加入することで、ローンの返済中に万が一のことがあった場合、ローンで購入した物件を無借金の状態で家族に残すことが可能です。
この団体信用生命保険は一般の生命保険と同じような効果があるので注目されています。ただし、1つ注意すべき点として、この団体信用生命保険も契約時に健康に関する告知が必要であることが挙げられます。そのため、持病等があれば加入できない場合があり、これについても専門家を交えて確認する必要があるでしょう。

不動産投資ローンの審査基準とは

不動産投資ローンは一般の住宅ローンと比べて厳しい審査が行われています。金融機関はさまざまな項目ごとに厳しいチェックをして融資の可否を判断しているため、それらについて理解することで、不動産投資ローンが必要な際、迅速に審査を通過することが可能です。
今回は特に金融機関が重要視していることを3つご紹介します。

年収などローン利用者の属性情報

1つ目はローン利用者の属性情報です。不動産投資ローンは、融資をする物件の資産価値だけでなくローン利用者の信用力も重要視します。ローン利用者の信用力を審査するために主に以下の項目をチェックしています。

主な審査項目

・年齢
・年収
・借り入れ状況
・勤務先名
・勤続年数
・職種
・資産状況(預貯金額・有価証券保有額)
・健康状態
・家族構成
・配偶者の勤務状況

などが挙げられます。
重要ポイントは、金融機関の融資基準は原則として融資した金額を全額返済してくれるかどうかを重要視しているという点です。よって、少しでも返済が滞ると思われるような内容だと融資を受けることが難しくなります。
ちなみに金融機関が不安視する条件は以下の内容が一般的です。

・年収が500万円以下
・住宅やその他ローンの借り入れが多い
・扶養者が多い
・勤務先の経営状況
・勤続年数が短い(2年以内)
・毎月の給与が変動する
・過去に大きな疾病がある

なお、自分が融資を受けられるかどうか気になる方は、不動産販売会社に相談してみるとよいでしょう。優良な不動産販売会社に相談するとすぐに回答が得られ、かつ自分に合った最良の金融機関を紹介してもらえるのでおすすめです。

購入する物件の資産価値

2つ目は購入する物件の資産価値に対する審査です。不動産投資ローンは主に家賃収入から返済することになるため、購入対象となる物件の資産価値も重要視されます。金融機関は購入する物件に対して以下の項目を基準として評価をしています。

主な審査対象

・立地条件
・築年数
・賃料推移
・空室率

金融機関は「その物件は安定的な家賃収入が長期的に得られるのか」および「融資額に相当する物件の担保価値があるのか」という基準で審査を行います。金融機関から融資を受けるためには、ローン利用者の属性だけでなく物件の評価も重要です。金融機関から高い評価を受けられる物件を探すことでより融資を受けやすくなります。

不動産経営者として適格か

3つ目は不動産経営者として適格かどうかです。これは融資を受ける前に金融機関の担当者と面談することで判断されます。その時に担当者がいろいろな質問をしてくるので、その質問にきちんと回答しなければなりません。
主な質問内容

・不動産投資をする目的
・なぜこの物件を購入するのか
・現状の借り入れについて
・今後のキャリアについて
・これまでの投資経験

ポイントは、金融機関を「返済に問題ない」と安心させられる回答をすることです。金融機関は融資した金額をきちんと返済してくれるかどうかを重要視します。そのため、融資申込者が「来年には今の会社を辞めて起業します」や「キャピタルゲインを目的に購入を希望します」といった回答をしてしまうと、金融機関の担当者の心証が悪くなってしまい融資を受けられないことがあります。
そのような結果を避けるために、面談前に必ず不動産販売会社の担当者に相談しておくことをおすすめします。

サラリーマンの不動産投資ローンの限度額は年収の10~20倍

不動産投資ローンの融資限度額は、金融機関の審査によって異なるため明確な基準はありません。ただ目安としては、ローン申込者の職業が会社員の場合は年収の10~20倍と言われています。また、ローン申込者の属性や購入物件の資産価値によって融資限度額が増える可能性があります。

不動産投資ローンの金利と借り換え

近年の低金利政策の影響で不動産投資ローンを提供する金融機関が増えてきました。そのため、金融機関同士の顧客獲得競争が活発になっています。それにより金融機関ごとに貸出金利やその他特典等で差別化を図り、さらにローン申込者の属性や購入希望物件の資産価値次第で特別低い金利で融資をするケースなどが出てきました。
現在は不動産投資ローンを組む側からすると有利な状況と言えます。実際、これを機に不動産投資ローンの借り換えを考えている方が増えています。これから不動産投資ローンの金利や借り換えについてご紹介するので、金利や借り換えのメリットについてしっかり把握しておきましょう。

変動金利と固定金利の2種類ある

不動産投資ローンの金利は「変動金利」と「固定金利」の2種類があり、どちらの金利で借り入れをするかを決めることができます。「変動金利」と「固定金利」の特徴を紹介します。

変動金利

市場金利の変動に合わせて金利が変動します。金利が変動すると毎月の返済額に占める利息額やローンの返済額が増減します。

固定金利

市場金利の変動にかかわらず、契約時に取り決めた期間内は借入金利の変動はありません。これにより期間内の返済額が増減することはありません。返済額が増減しないという安心感があります。その代わりの注意点として、金利変動リスクは金融機関が負うので、一般的には変動金利よりも固定金利の方が金利は高くなってしまうという点、固定金利には2年、5年、10年などの固定期間があるという点が挙げられます。
変動金利は当初の借入金利より下がると利息額が減るため、その分借入残高が減るというメリットがありますが、逆に金利が高くなると利息額が増えてしまうため、その分借入残高が減りづらくなってしまうデメリットもあります。
変動金利と固定金利それぞれ一長一短がありますので、どちらがよいか選択に迷った場合は、自分だけで判断せずに不動産販売会社の担当者や金融機関の担当者に相談することをおすすめします。

高金利で借りている場合は借り換えを検討する

現在不動産投資ローンを提供している金融機関は多数あり、金利も金融機関によって異なります。そのため金融機関同士の顧客獲得競争が活発でローン申込者の属性や購入希望物件の資産価値によっては、特別低い金利で融資を受けることもできます。
よって、現在組んでいる金利よりも低く提示してくれる金融機関があった場合、借り換えをした方がよいこともあります。ただし、金融機関を変更する際には諸費用が発生するので、目先のキャッシュフローの改善だけで判断せずに、借り換えに伴う費用も含めて総合的に判断することが重要です。

不動産投資ローンが自宅購入時の住宅ローンに与える影響

不動産投資ローンを先に組んでしまうと住宅ローンが組めなくなるのではないか、と心配する方もいるでしょう。結論からお伝えすると両方のローンを組むことは可能です。ただし、先に不動産投資ローンで多額の融資を受けてしまうと住宅ローンの融資限度額に影響が出てしまう可能性があります。だからといって悲観することはありません。金融機関によって審査状況が異なるため、それらについて理解することで住宅ローンの希望融資額を受けられるよう対策することができます。

家賃収入を年収とみなす金融機関が一般的

金融機関は、所有している投資物件からの家賃収入を年収とみなし給与収入と合算して審査を行うところが一般的です。その特徴として、合算できると借入限度額が増えるので、不動産投資ローンの影響を受けずに自分が希望する金額の住宅ローンを組むことができます。

不動産投資ローンの方が難易度は高い

不動産投資ローンと住宅ローンでは、不動産投資ローンの方が融資を受けにくい傾向にあります。なぜなら不動産投資は、所有不動産を運用する事業と金融機関にみなされるからです。不動産投資ローンを組んでいる人が住宅ローンを組めるかどうかは、不動産投資が成功しているかどうかが鍵になります。不動産投資が成功していれば収入が多くなるので「返済には問題ない」と判断され、審査に通過できますし、不動産投資が上手くいっていない場合には収入が低くなるので「返済に懸念がある」と判断され、審査に不利になります。
住宅ローンはローン申込者の属性だけで判断することができますが、不動産投資の場合はローン申込者の属性+不動産投資の事業予測と合わせて判断します。また、不動産投資ローンは住宅ローンと比べて債務不履行になる可能性が高いので、金融機関の審査は厳しくなります。

判断に迷ったらプロからアドバイスをもらうのがおすすめ

不動産投資を金融機関からの融資を受けて行う場合、金融機関の選定および借入金利は、キャッシュフローに大きく関わるため不動産投資を成功させる大事な要因の一つとなります。よって、金融機関の選び方も重要といえます。
不動産投資の経験ない場合には不動産投資のプロに相談することが確実かつ簡単に済ませられる方法です。不動産投資のプロとは社歴や実績のある不動産販売会社です。不動産投資において不動産販売会社は一緒に運用するパートナーとなる存在です。運用期間によっては数十年のお付き合いになることもあり、きちんとしたプロに相談することをおすすめします。
不動産投資を成功させるためには金融機関の選定も大事なことですが、それ以上に不動産販売会社の選択が重要となります。自分にとって安心できるパートナーを見つけ出してぜひ不動産投資を成功させてください。

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