大阪再開発とその未来像について

大阪再開発とその未来像について

2025年に国際博覧会(大阪・関西万博)の開催が予定されています。これに合わせていま、大阪が大きな変貌を遂げようとしています。万博会場である夢洲周辺には、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の新駅が新設予定です。
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大阪都心部においては、新しいオフィス街や防災施設などの建設が予定されています。
本記事では、再開発によって変化を遂げている大阪の未来像について確認していきましょう。

大阪は再開発が目白押し 再開発はどこで行われている?

まずは、どのエリアで再開発が行われるかについて確認していきましょう。ここで取り上げる大阪再開発は、主に3つのエリアに大別できます。
1つ目は、「梅田・中之島(うめきた)エリア」です。大阪市北区梅田を中心に再開発が進んでいます。
2つ目は、「難波・心斎橋エリア」です。このエリアでは、インバウンド消費を取り込むため、リゾートホテルなどの建設が予定されています。
そして3つ目が、万博会場となる「夢洲エリア」です。このエリアではとりわけ交通網の整備に注力した再開発やIR誘致などが予定されています。

大阪の再開発キタとミナミ

大阪には、「キタ」・「ミナミ」と呼ばれるエリアが存在します。
大阪再開発のエリアを地図上で理解するためには、このようなエリア分けが効果的です。
「キタ」の地域は、主に大阪・梅田エリアを指しています。このエリアでは、多路線の鉄道に加えて、新幹線の停車駅である「新大阪」も利用できます。
「ミナミ」の地域は、主に道頓堀近隣(心斎橋・難波)を指しており、「大阪らしさ」が色濃く、文化を発信するエリアと言えるでしょう。

大阪キタで行われる再開発

これまでのエリアを整理すると、「大阪キタ」エリアで行われている再開発は、交通の利便性を生かした開発が行われています。
このため、ハイグレードな都市型住宅の建設や大規模なオフィスビル(大阪梅田ツインタワーズ・サウス)、ホテル、商業施設の開業が予定されています。
また新産業の創出を目的とした、産・学・官・民による交流拠点や都市公園なども誕生する予定です。
大阪再開発の中心はこの「大阪キタ」エリアとされており、今後の発展に期待が高まっています。

大阪ミナミで行われる再開発

「大阪ミナミ」エリアは、インバウンド需要が高いエリアであることから、日本のみならず海外からも注目を集めています。とりわけ、人々の往来が多い心斎橋商店街では多くの外国人観光客で賑わっています。
このような世界の観光需要を取り込むため「大阪ミナミ」エリアでは、革新的なホテル(W OSAKA)や高級リゾートホテル(センタラ・ホテル&リゾート)が開業する予定です。
また「大阪中之島美術館」が開業したことによって、文化や芸術を発信するエリアとして集客効果が期待されています。

大阪市の大規模な再開発 うめきたプロジェクト

大阪市の大規模な再開発のなかで、注目度の高いプロジェクトが「うめきたプロジェクト」です。
大阪市北区梅田は大阪を代表するオフィス街であり、JR線や阪急線など多路線かつ複数駅が利用できるため、交通利便性に秀でたエリアといえます。
ここでは、いま注目されている「うめきたプロジェクト」について確認していきましょう。

これまでのうめきたプロジェクト

2013年のグランフロント大阪の開業によって、「うめきたプロジェクト」における先行開発がスタートしました。
西日本を代表するターミナル駅である大阪駅前に、産・官・学が連携した再開発プロジェクトが進行しています。
これにともないグランフロント大阪は、国際的な情報受発信や人材の育成・交流拠点の場としての役割を担います。

現在進行中のうめきた2期再開発

今日においては「2期再開発」として、「みどりとイノベーションの融合拠点」というプロジェクト理念のもと、街づくりが進行しています。
南街区には高層ビル・北街区にはホテル・うめきた地区には官学官民交流拠点、商業施設を備えた高層ビルが建設される予定です。
加えて民間宅地北街区・南街区ともに、ハイグレードな都市型住宅も建設される予定です。北街区には地上47階建て・南街区には地上51階建てのタワーマンションが建設され、約1,200の住宅供給が見込まれています。

2025年の大阪・関西万博に向けて

冒頭でも述べたようにこれらの大阪再開発は、2025年に夢洲エリアで開催される大阪・関西万博による波及効果の一つです。
大阪・関西万博は、2025年4月13日から同年10月13日までの184日間開催され、世界各国から約3,000万人が来場することが想定されています。
また、大阪・関西万博がもたらす経済効果は、2兆円に達するものと試算されており、大阪府は夢洲エリアにおける再開発やIR誘致活動を積極的に行っています。

交通網の整備でますます便利に

大阪再開発が進められるなかで、交通網の整備にも注目が集まっています。
ここからは新線の新設や延伸などによって、より鉄道ネットワークが強化される事例を確認していきましょう。
これら交通網の整備は、大阪全体の南北都市軸の強化に加えて、ターミナル駅や空港へのアクセス性の向上に寄与するものとされています。

JRと南海電鉄の新線 なにわ筋線

2023年には、うめきた地下駅が開業する予定であり、これによってJR「難波駅」や南海本線「新今宮駅」をつなぐ新たな鉄道路線(なにわ筋線)が2031年に開業されます。
これまでは、莫大な事業費用が見込まれることがネックとなり、実現困難とされていましたが、大阪・関西万博の開催が決定したことで「なにわ筋線」は開業に向けて整備が始まりました。
なにわ筋線の開通によって、関西国際空港や新大阪駅へのアクセスが容易となり、さらに交通利便性が向上することが期待できるでしょう。

大阪メトロ中央線が夢洲へ延伸

大阪メトロ中央線を咲洲のコスモスクエア駅から大阪・関西万博開催予定地まで延伸する事業計画が発表されました。
2024年の開業に向けて、今まさに開発工事が進行中です。
これによって、大阪・関西万博会場である夢洲エリアへのアクセスが容易となります。
万博会場へのアクセスは鉄道とシャトルバス、自家用車が想定されており、このうちの約4割を鉄道が担うことになると想定されています。
このため、大阪メトロ中央線の延伸に関しても、大阪・関西万博の波及効果によるものと言えるでしょう。

大阪モノレールの延伸

2029年には大阪空港駅、彩都西駅と門真市駅を結んでいる大阪モノレールを東大阪市まで南に8.9㎞延伸することが決定しました。
これによって、大阪モノレールは大阪メトロ長堀鶴見緑地線「(仮称)門真南駅」や近鉄けいはんな線「(仮称)荒本駅」、近鉄奈良線「(仮称)瓜生堂駅」、JR学研都市線「(仮称)鴻池新田駅」との接続が実現します。
そのため、大阪モノレールは、さらに利便性の高い路線へと生まれ変わるでしょう。
しかしながら、延伸の規模が大きいため、延伸完了には年月を要するといった点に注意が必要です。

うめきた(大阪)駅の進化

2023年春には、「うめきた(大阪)地下駅」が開業予定です。
この新駅開業によって、より広域的に多くの人々を大阪駅に集めることができるため、大阪駅のターミナル化はさらに進化することが期待されています。
これにともなって、ホームの延伸や駅ナカ施設の充実化が進んでおり、新駅開業による乗降客数の増加を受け止めることができるターミナル駅としての、生まれ変わりが期待されています。

新たな商業施設の誕生

大阪再開発において、IR(統合型リゾート)の建設も注目されている計画の一つと言えます。
「IR」とは、ホテルやショッピングセンター、レストラン、そしてカジノから構成される複合施設のことです。
わが国においても、IR推進法が成立し、カジノ解禁へと舵を切りました。
今後は、カジノ実施に関わるギャンブル依存症などの諸問題についての対策にも注目していく必要があります。
また、国際的イベントの開催を目指して、MICE(Meeting・Incentive Travel・Convention・Exhibition/Eventの頭文字を取ったもの)機能を強化する再開発計画が目下進行しています。

2030年の大阪の姿とは?

これまで紹介してきた大阪再開発は、2030年にはほとんどの計画が完了します。
これまで日本経済の中心は東京がけん引してきましたが、このような状況下において2030年に突入すると、東京・大阪の「2トップ体制」になるといった声も上がっています。
現在行われている再開発事業を正確に理解しておくことで、大阪の未来像をより鮮明に思い浮かべることができるため、引き続き注視しておくことが重要です。

まとめ

ここまで、大阪における再開発計画について紹介してきました。将来にわたって、大阪がどのように発展していくのかを理解いただけたでしょうか。これらの再開発計画によって、大阪エリアの不動産情報は日々、変化しています。
最新情報を迅速かつ正確に取得することができれば、今後の不動産相場や経済情勢について理解を深めることができます。日本だけではなく、世界中からも注目されている事柄であるため、今後のニュースや動向について、気を配るようにしましょう。

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