袋地の価値を高める!売却金額アップの4つの秘訣

袋地の価値を高める!売却金額アップの4つの秘訣

「袋地」、あるいは「無道路地」「死に地」という言葉を聞いたことがありますか。これは、他人の土地に囲まれ公道に直接通じていない特殊な形状の土地を指します。このような立地条件から一見すると、「売りにくい」と不動産市場では評されがちです。しかし、買い手にとっても様々なメリットが隠れています。本記事では、「袋地の価値を高める!売却金額アップの4つの秘訣」について具体的に解説します。ご所有の袋地をより魅力的な土地へと昇華させ、最高の売却価格を得るための戦略を明らかにします。

袋地と囲繞地の違い

袋地とは冒頭でも述べたように他人の土地に囲まれた土地です。この袋地を取り囲む土地が囲繞地です。このような土地は、建築基準法に応じた前面道路の整備がされていない状態で、大きな土地を分割した場合に形成されたケースが多いです。袋地の所有者は民法210条において「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」と囲繞地通行権が認められており、囲繞地の所有者に対して特別許可を取らなくても囲繞地を通り公道に出ることができます。

袋地が「売りにくい土地」と言われる理由

袋地は同エリアの整形地に比べて売却価格が3割程度になってしまい、買主を見つけるにも時間がかかる売りにくい土地と言われています。その理由は以下のようなことが考えられます。

再建築不可の土地であること

建物を建てるためには、現行の建築基準法では建築基準法上の道路に2.0m以上接していなければならないと決められています。囲繞地に囲まれた袋地は道路にも接していないため現状建物が建っていたとしても再建築(建て替え)ができない土地となります。前述した囲繞地通行権では、袋地の所有者が公道に出るために囲繞地を通ることを認められているだけ、かつ必要最小限の範囲での通行幅になるため、通行券が認められていても再建築ができることとは関係ありません。購入を検討する側としては、希望の建物が建てられない、既存の建物が老朽化した時に建て替えができず空き地になってしまうリスクがあります。

囲繞地の通行のため通行料を払わなくてはいけない

囲繞地の通行権を確保するためには、周囲の土地の所有者との交渉が必要であり、その結果として通行料を支払うことになることがあります。具体的な金額は、交渉により異なりますが、一時的でなく、定期的なランニングコストになり得るため購入を検討する人には避けられる傾向にあります。

ライフラインの引き込み工事は隣地の許可が必要

電気、ガス、水道等のライフラインを引き込む際、隣地を経由する必要があるため、その所有者から許可を得る必要があります。これにより、設備の設置に時間がかかるだけでなく、隣地の所有者との関係性によっては許可が得られず、最悪ライフラインの引き込みができない可能性もあります。

トラックなどの大型車両が敷地に入れない

袋地は、トラックなどの大型車両が敷地に進入することが困難です。そのため、地震や火災などの緊急事態が発生した時に救助隊の到着が遅れることがあります。また、建物のリフォーム・解体時には大型建設機を使うことが難しいため手作業が必要となり、それが費用を増加させる原因となります。

住宅ローンの利用が難しい

住宅ローンの審査には、金融機関による土地の担保評価が必須です。その際、土地の条件は重要な要素となります。袋地は前述のような理由から、同エリアの整形地に比べて担保評価が伸びず、住宅ローンの利用自体も難しい場合があります。購入検討者にとっては、購入できるだけの金額を現金で用意しなければ買えない、購入してもさらに売却する時に高く売れる可能性が低いなどのリスクがあります。

袋地を購入するメリット

次に袋地を購入するメリットを解説します。

相場価格より圧倒的に安価で購入できる

袋地は、前述した通り特性上、建築制限や利便性の問題があるため、通常の市場価格よりも低価格で取引されることが一般的です。問題を抱える袋地ですが、購入者は初期投資を抑えながら土地を所有することが可能です。再建築はできなくても、既存の建物が使えるうちは賃貸に出したり、建物を解体した後は自動販売機置場や駐車場、資材置き場として土地を活用することができます。

税金を抑えられる

袋地の価格が相対的に低いため、それに伴い固定資産税も低くなります。固定資産税は、土地や建物の公示価格に基づいて算出されます。袋地の公示価格は周囲の土地に比べて低めに設定される傾向があるため、その分、年間の固定資産税の負担も軽減できます。これは土地を長期的に保有する際のコストを抑える上で大きなメリットとなります。

囲繞地と併せて所有することで資産価値をより高めることができる

隣接する土地(囲繞地)の所有者が袋地を購入すると、囲繞地と袋地を合わせた土地での開発が可能となり、資産価値を大幅に高めることができるため大きなメリットとなります。例えば、マンションやアパートの建設を考える場合、袋地と囲繞地を併せて所有していると、より広範囲での開発が可能となります。これにより、一棟分の利益だけでなく、数棟分の利益を上げる可能性があります。

売却金額アップの4つの秘訣

①隣地を購入する、隣地に売却する

前述したように袋地は周囲を取り囲んでいる囲繞地と合わせることで、再建築不可の状態が改善され、再建築可能な大きな土地となり資産価値が大幅に向上します。隣地の所有者からしても、「土地が売却できる」「他人に敷地を通られないようになる+土地が広がる」、などのメリットがあります。

②土地を交換する

前述の隣地を購入する、隣地に売却すると似た方法に、等価交換するという方法もあります。等価交換とは同じ面積の土地を交換することを言います。袋地の場合は、所有している袋地の余っている部分の土地と隣接する囲繞地の公道に2.0m以上接している部分の土地を交換することが有益でしょう。そうすることで、袋地が旗竿地になり再建築もできるようになります。隣地全てを購入するよりも費用を抑えて対策することが可能です。

③通行地役権を設定する

袋地の売却価格を高めるための手段として、通行地役権を設定するという方法も有効です。通行地役権とは自分の土地の利便性向上のために他人の土地を通行できる権利のことです。
よく似た権利に囲繞地通行権がありました。それぞれの違いは以下の通りです。

囲繞地通行権でも公道へのアクセスの権利がありますが、通行地役権を設定することで、第三者にも対抗することができます。買主が自身の土地として利用する際の不安要素を減らすことにも繋がり、土地の売却価格を上昇させる可能性があります。

④不動産業者に買取してもらう

前述した①②③の方法は全て隣地(囲繞地)の所有者の協力、度重なる話し合いがあって成り立つ方法です。隣地の所有者にとってもメリットのある話ですが、土地の売買する予定がない場合、資金的な余裕がない場合など、タイミングや関係性によっては現実的に難しい方法でしょう。不動産業者に買取してもらう方法は非常にシンプルです。不動産業者はマーケットの動向を把握、独自のルートを確保しており、袋地にも価値を見いだすことができるため、高価格での買取が期待できます。また、不動産業者は司法書士や税理士へのネットワークが通じているので、登記や税務のことでも確認することができ、安心して売却活動を進めることができます。

袋地の売却は「不動産業者に買取してもらう」がおすすめ

不動産業者に買取してもらうと以下のようなメリットがあります。

仲介手数料が発生しない

専門業者に直接売却する場合、不動産会社を通じて売却する際に発生する仲介手数料が発生しません。例えば土地を1,000万円で不動産業者に仲介してもらい売却したとすると39.6万円(税込)の仲介手数料がかかりますが、直接買取してもらうとなればこの費用が不要になります。仲介手数料は成約価格の3%~5%に設定されており、金額の大きい不動産の取引でこれを節約できることは大きなメリットになります。

早く確実に売却できる

専門業者に買取してもらう場合、一般的には査定後、数日から数週間程度で契約・決済が進行します。一般の購入者を見つけるのを待つ必要がないため、売却までの時間を大幅に短縮できます。これは、急いで資金を調達したい場合や、早く移転したい場合などに特に有利です。

売却後の契約不適合責任を負わなくていい

原則、不動産を売却する時、売主にはその不動産の事実を買主に正確に説明し、事実と異なれば申告していた状態にする義務があります。例えば、「綺麗な土地なのですぐにでも建物を建てられます」と売主が申告して売却していた場合、買主はその言葉を信じて土地を買うことになります。ところが、引渡し後買主が家を建てるために土地を整備していたら建物の瓦礫が埋まっていた、となると売主は引渡し後(売却後)にその瓦礫を綺麗に取り除かなければいけません。売主がこの事実を知らなかったとしても、契約した内容に不適合な土地となるため、この責任を負うことになります。しかし、この責任は一般の消費者を守るためのものなので、プロである不動産業者に買取してもらう場合は、この責任が一切問われることはありません。売却後の急な出費が発生するリスクをなくすことができます。
関連記事:不動産売却で失敗しないためには?契約不適合責任・設備の修復義務とは?

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