建物構造の種類によるそれぞれの特徴

建物構造の種類によるそれぞれの特徴

物件の購入を検討している時に建物の構造について確認したことはありますか。
賃貸で部屋を借りる時に、家賃・立地・設備等家の中の目に見える部分を確認して決めていて、いつもの癖で購入の時も構造等見えない部分はあまり確認していない、なんてことはありませんか。
建物の構造によってそれぞれメリット・デメリットがあり、自分が何を大切にしているかによって構造は選ぶことが理想的です。
本記事では建物構造の種類とそのメリット・デメリットについて解説します。
この記事はINOVE(イノベ)が提供しています。INOVEは第一住建グループが運営する新しい不動産総合サービスです。

建物構造の種類

建物構造の種類は以下7種です。
① 木造(W造)
② 鉄骨造(S造)
・重量鉄骨造
・軽量鉄骨造
③ 鉄筋コンクリート造(RC造)
④ 鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
⑤ アルミ造(AL造)
⑥ コンクリート充填鋼管造(CFT造)
⑦ コンクリートブロック造(CB造)

今回は比較的身近な①~④の構造について解説します。

①木造(W造)

スギ・ヒノキなどの木材を使用した構造。木材は水分を吸収すると膨らみ、乾燥すると縮む特性があり、湿度の高い日本の気候にマッチしているため、昔から最もよく使われています。
現在も戸建や小規模アパートなどで採用されています。

メリット

コストを抑えられる
S造やSRC造に比べると材料費が安価なため建築コストを抑えることができます。
ただし、近日では新型コロナウイルスの感染拡大やアメリカでの木造需要拡大等を原因として、ウッドショック(木材の高騰)が続いているため、メーカーにもよりますが坪単価1~6万円前後の値上がりが見られています。坪単価でみるとそこまで大きな値上がりに見えないかもしれませんが、例えば坪単価4万円アップの上で30坪の建物を建てるとすれば4万円×30坪=120万円がウッドショック以前の価格よりも値上がりする金額ということになります。
通気性がいい
木材は通気性が良いことが大きな特徴です。通気性が良いおかげで外気との温度差が少なくなり、カビやダニが発生しにくくなります。
調湿効果がある
木には水分を吸って膨らみ、水分を出して縮むという特性から、室内の湿度が高い時には湿気を吸収し、乾燥してくると水分を放出します。これにより室内の湿度を一定に保つ効果が期待されます。
建築デザインの自由度が高い
木材は間取りやデザインの自由度が高く、将来的なリフォームもしやすいことがメリットです。いくつかの工法の中でも木造軸組み工法や木造ラーメン工法が、自由度が高いことで知られています。

デメリット

気密性が低い
通気性が良い反面のデメリットです。エアコン、特に暖房の効きが悪い場合もあります。
⇒対策:断熱材や保温効果のあるカーテンなどをお部屋内の物で工夫する様にしましょう。
遮音性が低い
防音性をなるべく落とさずに建てられた木造建物もありますが、やはり他の構造(コンクリート等)に比べれば音は響きやすくなります。
⇒対策:遮音効果のあるマットやカーテンなどを使用する様にしましょう。
耐震性・耐久性・耐火性が低い
昔の木造建築物に比べると最近の木造建築物は丈夫に作られていますが、他の構造に比べると劣ることが予想されます。
⇒対策:耐震工事や燃えやすいものを庭に置かないなどで工夫する様にしましょう。
害虫に弱い
木造戸建などで被害に多いものが、白アリ被害です。白アリとはその名
⇒対策:防蟻処理。
白アリが寄らない様に未然に防ぐこと、発生してしまったら被害箇所が広がらない様になるべく早く駆除・修復することが大切です。

②鉄骨造(S造)

鉄骨を使用した構造。
この中で鉄骨の厚さによりさらに2種類に分類され、厚さ6mm以上の鉄骨の場合は「重量鉄骨造」と6mm以下の場合は「軽量鉄骨造」となります。
重量鉄骨造は主に商業ビルや高層マンションなど大規模な建築物、軽量鉄骨造は戸建や小規模店舗にみられます。

メリット

品質が安定している
木材とは異なり鉄骨は工場で人の手によって作られるため、どの商品も品質が安定しています。
耐震性・耐久性・気密性が高い
木造に比べて耐震性・耐久性は高いことが大きなメリットです。揺れが起こると鉄骨がしなるためエネルギーを吸収する特性を持ちます。厚みがあるほど強度は高くなります。

デメリット

コストがかかる
木造より建築コストは大きくなります。
耐熱性が低い
鉄骨自体に強度があるため壁を少なくしたり、薄くして造りがちですが、その影響で熱に弱くなる可能性があります。
⇒対策:耐火被覆(柱や梁の骨組みを耐火性のある素材で覆う)を施す。
内部結露が発生しやすい
コンクリートパネルなどを壁に使っている場合は、気密性が高まることから内部結露が発生しやすくなります。
⇒対策:防錆処理
内部結露を放置すると錆が発生し鉄骨自体の劣化に繋がるため、錆が発生する前に劣化を防ぐ対策をしておきましょう。
地盤が強くないとならない
木材より重いもので住宅を作るため当然地盤も強くなければいけません。
⇒対策:地盤対策
杭状の補強材を打ち込む工法や地盤を固める地盤改良等があります。

③鉄筋コンクリート造(RC造)

コンクリートを鉄筋で補強した部材が使用されます。
鉄筋の特徴(引張力が高く断熱性が低い)とコンクリートの特徴(引張力が弱く断熱性が高い)を掛け合わせ、高いパフォーマンスを発揮します。
戸建やマンションにみられます。

メリット

遮音性・耐震性・耐久性・断熱性が高い
木造やS造に比べそれぞれの耐性は高くなります。

デメリット

コストがかかる
木造やS造に比べ建築コストは大きくなります。
地盤が強くないとならない
木材や鉄骨より重いもので住宅を作るため当然地盤も強くなければいけません。
⇒対策:地盤対策
気密性が高すぎる
鉄筋コンクリートは木材などに比べて熱を伝え易いため外気温の影響を受けやすくなります。また吸湿性も少ないことから窓ガラスまわりに結露が発生しやすくなります。
⇒対策:換気や珪藻土アイテムの採用、窓ガラスを断熱複層ガラスにするなどの工夫をしましょう。

④鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)

鉄骨の柱の周りに鉄筋を組んでコンクリートで固め補強した部材が使用されます。
S造とRC造のそれぞれの掛け合わせ、耐震性や耐久性に優れているため大規模な建築物の場合に採用されます。
鉄骨を使用しているためRC造よりも耐震性・耐久性が高くなります。

メリット

遮音性・耐震性・耐熱性・耐久性が高い
鉄骨と鉄筋コンクリートの利点を掛け合わせるため、それぞれの特性はRCよりもより強力なものになります。

デメリット

コストがかかる
鉄骨・鉄筋コンクリートの両方を使用するため、前述した構造の中で最もコストのかかる構造になります。
地盤が強くないとならない
他の構造より更に重いもので住宅を作るため当然地盤も強くなければいけません。
⇒対策:地盤対策
気密性が高すぎる
鉄筋コンクリート同様、窓ガラスまわりに結露が発生しやすくなります。
⇒対策:換気や珪藻土アイテムの採用、窓ガラスを断熱複層ガラスにするなどの工夫をしましょう。

まとめ

構造4種比較表

構造によってそれぞれのメリット・デメリットがあり、デメリットの分はいくらか対策をとれることが分かりました。
何を重視するかによって選ぶ構造を変え、弱い部分に対してはなるべく被害が出る前に防ぎましょう。

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