収益物件のオーナーチェンジとは|なぜ売るの?危険が潜む理由とは

収益物件のオーナーチェンジとは|なぜ売るの?危険が潜む理由とは

不動産投資における手法の1つとして「オーナーチェンジ」があります。本記事では、オーナーチェンジとはなんなのか、特徴やメリット・デメリットを踏まえ、事前にできるリスクヘッジについて解説していきます。オーナーチェンジによる不動産投資をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事はINOVE(イノベ)が提供しています。INOVEは第一住建グループが運営する新しい不動産総合サービスです。

収益物件のオーナーチェンジとは?通常取引との仕組みの違い

はじめに不動産投資において通常の取引とは違う「オーナーチェンジ」の特徴について解説します。

入居者がいる状態で売却される「オーナーチェンジ物件」

オーナーチェンジとは、アパートやマンションに賃貸借契約を交わした入居者がいる状態でオーナーが不動産を売却し、所有権が変わることです。現状の賃貸借契約に基づいた権利関係を維持したまま引継ぎを行うため、不動産のオーナーだけが変わります。

不動産に加えて権利・義務も引き継がれる

「権利関係を維持したままオーナーだけが変わる」といっても、引き継がれるのは所有権だけではありません。そのほかの「権利」や「義務」も一緒に引き継がれるのです。
現オーナーから次のオーナーへ引き継ぐ「権利」と「義務」は以下のようなものが挙げられます。
【権利】
● 入居者との契約が終了する際に部屋が返還される権利
● 入居者との契約が終了する際に入居者に部屋の現状回復を行ってもらう権利
● 賃貸借契約を交わした入居者から賃料を受け取る権利
【義務】
● オーナーが所有している建物に不備がある際はオーナーが修繕を行う義務
● 入居者が部屋を退去する際に敷金を返還する義務
● 賃貸借契約を交わした入居者に部屋を使わせる義務
このように、オーナーに引き継がれる権利や義務といっても、基本的には一般に認知されている内容であり、専門的な知識がなくても理解できる範囲といえるでしょう。

なぜ売るのか オーナーチェンジ物件を売りわたす2つのパターン

現在、物件の所有者であるオーナーが、物件を売る理由としてはいくつか挙げられます。中には次のオーナーになる買主にとってプラスとなる理由もあれば、マイナスになる理由もあるのです。
それでは、オーナーチェンジが行われることで買主にとって「プラスになる理由」と「マイナスになる理由」をそれぞれご紹介していきます。

①安心|買主にプラスとなる理由

オーナーチェンジが行われる理由として買主がプラスになる主な理由は以下のような例があります。
● 現オーナーが転勤などを理由に遠方に引っ越すことで管理が困難になる
● 病気や失業によって現オーナーが一時的に資金を必要とし、やむを得ず売却する
● 不動産としての価値が高く、オーナーが頃合いを見て売却する
このように、買主にとってプラスになる理由は不動産としての価値が高い状態が前提といえるでしょう。
上記例のように、オーナー側で「やむを得ず売却を迫られた」ケースや「価値を見越してもともと売却予定だった」などはその後の運営にマイナスな要素が少なく、買主側にとってもプラスになりやすいです。

②危険|買主にマイナスとなる理由

プラスな理由に対してマイナスなオーナーチェンジの理由は以下のような例があります。
● 空室が埋まりにくく経営状況が悪い
● 入居者とのトラブルや賃料値下げの交渉を受けている
● 大規模な修繕が必要になる
このように、買主にとってマイナスになる主な理由は経営状況が悪いもしくは、悪くなりつつあるというケースがあげられるでしょう。特に不動産投資において「賃料」と「修繕費」というのは大きな収入と支出になります。
空室が多ければ得られる賃料の金額が少なくなりますし、値下げ交渉を受けている状態では、後々に賃料が減少したり現在の入居者が退去してしまうリスクも考えられます。
また、長期で運営する不動産投資では、定期的なメンテナンスや修繕によって大きな出費がつきものです。そのため、大規模な修繕を目前にしている物件のオーナーを引き継いでしまうと、オーナーになった直後に大きな出費が必要となります。

実際の売却理由を確認する方法は?

実際にオーナーチェンジによって物件が売却される理由の確認方法として、不動産会社に確認するのが一番でしょう。主な確認方法は「必要な資料を請求する」と「懸念と考えられる項目を確認する」があります。
必要な書類としては以下の6つが挙げられるでしょう。
● 登記簿謄本
● 修繕履歴
● レントロール(家賃明細表)
● 管理費がわかる資料
● 建物の損害保険料がわかる資料
● 固定資産税納税通知書
不動産会社に確認する懸念点は以下のようなものがあげられます。
● これまでに起こったトラブルの例
● トラブルを起こしやすい入居者はいるか
● 賃料の値下げ交渉はされているか
● 平均的な空室率
このように、不動産の売却理由は資料をもとに推測できる項目とできない項目があります。そのため、資料からわかる項目を確認する際は遠慮なく資料を請求し、資料からはわからない項目は直接不動産会社に聞いてみるといいでしょう。
また、入居者にトラブルメーカーがいる場合、他の入居者が不満やストレスを抱えてしまい賃貸借契約満了時に契約更新とならず退居しやすくなってしまいます。そのため、事前にこれまでどのようなトラブルが起こったのか、トラブルを起こしやすい入居者がいるのかは確認しておくべきでしょう。

収益物件の購入でオーナーチェンジ物件を選ぶメリット・デメリット

オーナーチェンジによって物件を購入する際にはメリット・デメリットがそれぞれ生じますので、今回はその中でも代表的な例をご紹介します。

メリット|金銭面での安心感が大きい

不動産投資において特に懸念されるのが「金銭面」です。不動産のオーナーになった後に安定した収益を得られるのか不安な方も多いでしょう。
すでに入居者の人数や賃料が把握できている物件のオーナーになる場合は、オーナーになった直後に収入が発生します。そのため、収支計算がしやすく、金銭面で大きな安心感を得られます。

デメリット|入居者との契約や内覧に関する不安がある

不動産の賃貸借契約において入居者との契約条件を変更できるタイミングは基本的に「契約締結時」と「契約更新時」です。オーナーになるタイミングによっては契約内容をすぐには変更できないため、更新時まで既存の契約内容に従わなければいけません。
また、すでに入居者がいる場合は物件の内覧ができないため、間取り図や写真で内装を把握しなければいけません。

オーナーチェンジの収益物件を購入に失敗・後悔しないためのコツ

オーナーチェンジで物件を購入する際のデメリットやリスクを考慮し、失敗や後悔をしないためにはなにをすればよいでしょうか。

修繕・入居者の状況を把握する

先述したように、不動産投資において「賃料」と「修繕費」は金銭面に大きな影響を与えます。建物の修繕が必要な際は、不動産の所有権を持っているオーナーが修繕費の負担をしなければなりません。
修繕の履歴や入居者の状況を把握して今後修繕が必要とされる場所はないか、退去を控えている入居者はいないか確認しておきましょう。

敷金の有無を確認する

オーナーチェンジの際には、入居者が退去する際に敷金を返還する義務が引き継がれます。
そのため、入居者との賃貸借契約に敷金が含まれているのか確認しておくといいでしょう。

保証会社の引き継ぎを行う

賃貸借契約の注意点として、賃貸管理会社が変わると保証会社が自動的に解約になってしまう場合がある点が挙げられます。
保証会社が解約になってしまうと新たな保証会社に加入が必要となり「入居者からの承諾」「審査の可否」「誰が費用負担をするのか」などの調整が必要となるのです。

直接足を運んで物件を調査する

資料や不動産会社を通して、物件の売却理由を事前に把握することである程度のリスクヘッジができます。しかし、資料や文面上ではわからない点も多々あるため、自身で直接物件へと足を運ぶといいでしょう。
実際に物件を見ることで建物のリアルな状況が把握でき、検討材料の1つとなります。

オーナーチェンジ物件に関して気になるQ&A

オーナーチェンジで物件購入を検討している方の中には、いくつか気になる点や懸念を抱えている方も多いでしょう。
今回はその中でも代表的な2つの疑問を紹介します。

オーナーチェンジ物件に自分が住みたい場合はどうする?

結論から言うと、自分で住むことは可能です。しかし、現在入居者で埋まっている際はすぐには住めません。もし、入居者が埋まっている物件に住みたいときは、契約更新時に退居してもらい敷金がある物件なら敷金の返還が必要です。
また、自分で住む目的で購入したとしてもあくまで「収益物件」であるため、住宅ローンが利用できない場合もあるので注意しましょう。

悪質な入居者の追い出しはできるの?

結論から言うと、基本的にオーナー都合での追い出しはできません。もし、どうしても追い出しをしたい場合は以下の3つのケースがあります。
● 入居者が契約違反をする
● 立退料を払う
● 契約期間満了までまつ
入居者が契約解除事由に該当する場合、貸主には解除権が発生するため賃貸借契約書に基づいて契約の解除が可能です。
また、立退料を支払うことで追い出しが可能なケースもありますが、まずは入居者との話し合いによって合意点を見つけなければいけません。必ず追い出せるわけではないので、注意が必要です。

不動産投資なら第一住建にお任せください

今回は、オーナーチェンジ物件に焦点をあてて解説してきました。ここまでで解説したように、オーナーチェンジによって物件を購入する際はさまざまなメリットに対してデメリットも生じます。
リスクヘッジのためには事前に確認すべきことがあり、信頼できる不動産会社の選定が必要です。もし、不動産投資に関してお困りのことや不安なことがある際には、一度、第一住建にご相談ください。

PICK UPピックアップ