建物の定期的なメンテナンスについて【排水管洗浄】
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2022/10/19
建物の資産価値向上や維持の為に必要な定期メンテンナンスの一つの排水管洗浄をご紹介いたします。
マンションで行われる排水管洗浄は法的点検ではありませんが定期的に実施をしないと排水管の詰まりや悪臭・漏水の原因となります。
排水管洗浄は少なくとも 2 年に 1 回のペースで実施するのが好ましく排水管の詰まりにより排水不良が起こった場合、配管の破裂、階下への漏水にも繋がります。
目次
定期的なメンテナンスをしないと
① 配管破損
② 漏水による室内補修、家具補償、賃料補償
③ 階下漏水による室内補修、家具補償、賃料補償等の被害が発生してまいります。
オーナー様に加入頂いている火災保険のプランにより補償されるかどうかが分かれます。
補償対象であったとしても、高額な家具・家電があった場合や漏水の被害部屋が店舗の場合、休業補償等が必要な為、金額が高額になり保険金額から賄えない可能性があります。
また、入居者様の精神的な負担になる事が多く解約へ繋がる可能性がございます。それに伴って、引っ越し代金の請求や損害賠償をされる可能性もございます。
過去の事例
事例1
住戸内で排水不良が起き、軽微でありますが逆流が発生しました。
高圧洗浄にて緊急の通管作業を実施し、単発の工事費としまして 3 ~ 4 万円程の費用を要しましたが、その後も事案が発生した際に都度通管作業を行うこととなり、結局全戸通管作業を実施することとなりました。
全戸通管となりますと 3000 円~ 4000 円/ 戸で可能となり、40 戸の通管で 13 万円程となります。
本件では緊急通管 4 件+全戸通管で結局 30 万円近くの金額が必要となりました。
定期的な実施が望ましいですが、予算の関係で難しい場合は、排水不良が 1 件でも発生した場合に全戸通管を実施したほうが良いかと思われます。
固定資産税の計算方法は以下の通りです。
固定資産税=課税標準額×1.4%
事例2
排水管洗浄を 5 年近く実施していないマンションがあり、油汚れが蓄積され排水管が詰まり、排水が逆流しました。
その結果、3 フロアにまたがって階下漏水が発生し、階下の家具家電・衣類等が漏水で使用できなくなり、また生活排水の為、悪臭も発生し入居する事が困難になりました。
一時的にホテルを手配し、そちらにお住まい頂くかたちになりましたが、入居者様からは後日高額な費用が請求され、該当部屋と被害部屋ともに退去となり賃料収入も影響がでました。
事例3
築古の物件で 10 年以上排水管洗浄を実施しておりませんでした。
排水不良が起きましたので確認しましたところ、本管部分での固着がひどく、なおかつ鉄管の為に高圧洗浄で配管が破損する可能性が高く、配管自体のやり直しを検討しないといけなくなりました。
築古物件で長期に実施していない場合は手遅れになる前に一度メンテナンスを実施したほうが良いかと思います。
排水管洗浄の流れ
排水管洗浄では各部屋の、台所・浴室・洗面台・洗濯パンの雑排水管および下階の縦菅を洗浄します。
作業内容は長いワイヤーを台所・浴室・洗面台・洗濯パンに差し込み、水を加圧して特殊ノズルで後方に高圧水を逆噴射させます。
その反作用によりノズル自体が自走し閉塞箇所や汚れを洗い流しながら進む高圧洗浄にて、排水管を洗浄します。
まとめ
排水管洗浄は既存の入居者様に長くお住まい頂くために必要なメンテナンスになりますので重大事故となる前に定期的な実施をご検討ください。
不動産管理は第一住建に
第一住建グループの幅広い事業領域とネットワークによって、大切な資産の価値を高めたり、複雑な諸業務を代行。
家族の一員のように深くオーナー様を理解し、関係性を築いていくことで、マニュアルに頼らないサービスを生涯にわたって提供していきます。