借りたいと思う“マイソク”になっていますか?

借りたいと思う“マイソク”になっていますか?

不動産仲介業者の店舗前で物件情報がまとめられたA4サイズの紙がたくさん貼り出してあるのを見かけたことはありませんか?その紙を「マイソク」と呼びます。このマイソクには、物件の位置、交通の便、間取り、概要、契約条件などが網羅されており、一枚の紙で物件の要点を把握できるため、非常に役立つツールです。特に、購入や賃貸を考えている方々にとって、この情報は重宝されます。
情報の記載の方法によっては、物件の魅力を効果的に伝え、契約につなげることができますが、マイソクのフォーマットに厳格なルールはなく、不動産会社ごとに内容やデザインが異なります。つまり、不動産会社がいかにマイソクを上手く作成できるかが、契約成立に大きな影響を与えるということです。
本記事では、インターネットで物件検索する時代でも紙のマイソクが使われる訳や、気を付けるべきマイソクのポイントについて、詳しく掘り下げていきます。

マイソクとは?賃貸・売買用?

マイソクの中には、賃貸募集や販売促進のために作られたものもありますが、どちらも基本的には同じ考え方で「目的(貸す・売る)のために物件の情報を簡潔にまとめたもの」で、売るためのマイソクなら販売価格や引き渡し時期、賃貸募集のためのマイソクなら家賃や入居時期などが記載されています。今回の記事では、賃貸募集のケースにフォーカスして解説していきます。

インターネットで物件検索する時代でもマイソクが使われる訳


マイソクが紙1枚に物件情報がまとめてあって便利なことは前述しました。とはいえ、インターネットがこれだけ普及して、部屋を探す時に検索するのが当たり前になったこの時代で、まぜまだ紙が重要とされるのでしょうか。

不動産会社の担当者が物件紹介をするときの型になっているため

来店したお客様に対して物件を紹介する時には概ねどの不動産業者でも以下のような流れになります。
① お客様の気になる物件の条件(所在や家賃、設備条件)をヒアリングする
② ①を元に、レインズなど不動産業者間のネットワークシステムで市場物件の中から該当する物件をピックアップする
③ ②でピックアップした物件がまだ募集している物件か、元付業者へ確認する(自社物件や管理物件の場合はこの確認が不要)
④ ③でまだ募集中の物件のマイソクを数件レインズからダウンロード・印刷し、お客様へご提案
⑤ ④で提案した物件の中から、更にお客様が気になる物件を絞り込み、内覧へ誘導
昔からある紙(マイソク)を使った物件紹介は、お客様にとって分かりやすい定番の方法です。この手法は、お客様が条件に合う物件を選び(Better)、その中から最も気に入る物件を見つける(Best)プロセスが視覚的にわかりやすく、お客様にとってシンプルで納得感のある選択が可能になります。

現地に内覧に行く際にメモ書きができる資料になるため

不動産会社の担当者は、お客様を内覧に案内する際、その日に見学する物件のマイソクをファイルやバインダーにまとめてお渡しします。これにより、お客様はマイソクに記載された間取り図や詳細情報を参照しながら、実際の物件を見ることができます。複数の物件を見る際には、それぞれの特徴を覚えておくためや、家具の配置を想像するためにマイソクにメモをするお客様もいます。賃貸物件の内覧は一件あたり約5分から10分が一般的で、この限られた時間の中で効率的に情報を収集するには、手元に紙の資料を持つことが非常に便利です。

こんなマイソクには気を付けろ

↓このようなマイソクになっていたら要注意

一目見た時に分かりづらい

これまでに述べたように、お部屋探しをしているお客様は、短い時間で物件の選定・情報収集をしていくため、マイソクは一目見ただけで物件の特徴や魅力が伝わるように作成する必要があり、商談のテーブルから除外されないような資料でなければなりません。そのために特に気を付けるべき項目は以下のようなものが挙げられます。

間取図

間取りは生活スタイルに大きく関わるため、間取図は物件選びにおいて重要な役割を果たします。例えば、広めの1Kを探している場合にマイソクの間取図に洋室の広さが明記されていなかったり、廊下から洗面室を経由せずに直接お風呂に入る間取りではなく、廊下から洗面室を経てお風呂に入る間取りを希望している場合に、間取図が見づらいと正確な判断ができません。このように、一目で理解しにくい間取図があるマイソクは、「判断が難しい物件」とみなされ、選考過程で除外される可能性が高くなります。
また、不動産会社の担当者は店内で印刷したマイソクを並べて比較し、広さや形状、配置などからよりお客様のニーズに合致している間取りはどれか、ポイントを整理しながら紹介していきます。お客様も目で見て比較することでスムーズに内覧希望物件を選定することができますので、分かり易い間取図は必須となります。

物件のセールスポイント

物件の魅力や特徴を明確に伝えるためには、立地や構造、設備などの情報をわかりやすく示すことが大切です。専門用語は、一般の読み手には難しい場合があるため、使う場合は最小限にし、必要に応じて簡潔に説明文を書くのもいいでしょう。時には文章よりアイコンの方が効果的なこともあります。セールスポイントを詳しく書きすぎると、大切な情報が埋もれてしまい、お客様の注目を引くのが難しくなる可能性があるため、マイソク全体の情報のバランスに気を付けて、見やすさを保つことが重要です。

フォント・色使い

マイソクのフォント選びは、読み手にとっての理解のしやすさに直接影響します。フォントサイズが大き過ぎると情報が混雑して見え、小さすぎると読むことが難しくなります。また、資料全体でフォントの種類がバラバラだと、乱雑・プロフェッショナルに欠ける印象を与えかねません。フォントの種類、サイズ、色を統一することで、資料は整然とし、読み手に安心感を与えます。

写真

物件の写真は、実物を見るのに次ぐほど強い印象を与えます。前入居者の退去のタイミングによっては、実際の現地の内覧が難しいため、内覧はせず写真のみで契約するかどうかを判断する場合もあります。せっかくマイソクに写真を載せていても、その肝心の写真が、暗くて不鮮明だと「暗い部屋」「狭い部屋」という印象につながり、除外されやすくなりますので元も子もありません。なるべく室内が明るく、広く見える高画質な写真を載せることが大切です。

地図

マイソクに地図を載せるのは有効ですが、必ずしも必須ではありません。確かに大きな地図は見やすいですが、A4サイズの紙に地図と写真やセールスポイント、近隣の情報を全て盛り込むと、スペースが足りなくなることがあります。そのため、立地を示す際は、交通条件で記載する「○○線○○駅から徒歩●分」といった文字情報で十分な場合もあります。そうすることで、写真やセールスポイントをより大きく、魅力的に掲載する方法もあります。

間違った情報が掲載されている

間違った情報が載っているマイソクは特に注意が必要です。よくあるケースは、古い情報が更新されずに使われていることです。例えば、「和室を洋室に変更」とマイソクにあれば、新たな募集のための改装と思われがちですが、実は前回の募集時に行われたものかもしれません。マイソクは再利用されることが多いため、古い情報が残り続けると、実際の状況と異なる内容になるリスクがあります。そのため、新しい募集のたびに、マイソクが現状に合っているか確認することが大切です。

 

↓上記のようなポイントに気を付けて当社が作成したマイソク

紙1枚、されど紙1枚から空室対策を

たった紙1枚の話ですが、この1枚が空室対策において大きな違いを生むことがあります。潜在的な入居者の目を引くためには、一目で物件の魅力を適切に伝え、間取図、セールスポイント、写真、そして正確な情報が必要です。部屋付け(募集活動)を不動産会社にお願いしていて、紹介はされているのに中々空室が埋まらない場合は、今使われているマイソクを改善することで、空室問題が解消するかもしれません。一件でも多くの内覧に繋がるように、お客様が「一度この物件を見てみようかな」と思ってもらえるようなマイソク作りが必要であると考え、当社では本記事で述べたような一枚のマイソクからこだわる空室対策を行っています。空室対策に悩んでいる不動産オーナー様、是非お気軽にお問い合わせください。

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