コロナ禍における昨今の賃貸住宅事情とDIY型賃貸について

コロナ禍における昨今の賃貸住宅事情とDIY型賃貸について

昨今の賃貸住宅事情をよくご存じのオーナー様であれば、「最近は DIY 賃貸が人気ですよ!」という情報を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
築年数が 30 年以上経過している物件では、空室が生じてしまうと新たな入居者を決めることができない... といった物件が多くございます。
その場合に DIY 型賃貸への切替を検討してみても良いかと思われます。

日本は少子高齢化が問題になっている中でも、相続対策を目的として賃貸経営を始める方が後を絶たず、東京や大阪などの大都市圏内では借り手が有利な市場となってきております。

一般的な空室対策は、フリーレント期間を設けて入居ハードルをさげたり、入居者が希望する設備を導入したりすることが一般的ですが、ここ数年は新たな対策として DIY 型賃貸を検討する動きが出てきております。

特に近年は、リフォームコストの負担が重いと感じるオーナー様と、コロナ禍の影響で自宅で過ごすことが多くなったために自分好みの内装の物件に住みたいという入居者で、お互いの思惑が合致して DIY 物件の人気が再燃してきております。

DIY賃貸とは

借主が入居後にある程度自由に内装をカスタマイズできるといった物件の事です。

借り手側としては、「自分の好みに合わせて住みやすい部屋を作れる!!」という点が非常に大きなメリットとなっています。

ただ、物件オーナーからすれば、「退去の際に原状回復はどうなるの?」「カスタマイズを認める範囲とかどうなるの?」などの疑問が沢山出てくると思います。

少子高齢化が進んでいる社会背景から国土交通省も空室対策の一環として DIY 賃貸の普及を推進しています。

実際に【DIY 型賃貸借のすすめ】というガイドブックまで作成しており、内容をわかり易く記載しております。

(国土交通省「入居者がリフォームする、新しい賃貸住宅DIY型賃貸借のすすめ」)

DIY型賃貸のメリットとデメリット

(国土交通省「入居者がリフォームする、新しい賃貸住宅DIY型賃貸借のすすめ」)

DIY型賃貸のメリット

『貸主側のメリット』
①現状ですぐに賃貸可能⇒改装のイニシャルコスト軽減
②入居ターゲット層の拡大⇒ターゲット層へのリーチ数アップ、成約数アップ
③借主側での改装の為物件への愛着アップ⇒長期入居の可能性拡大
④退去時に物件内装がグレードアップする可能性⇒内装グレードが上がっていた場合物件賃料アップ
『借主側のメリット』
①自分の好みの改装ができる⇒持ち家感覚で居住可能

DIY型賃貸のデメリット

『貸主側のデメリット』
①事前協議事項が多い⇒賃貸借契約書以外の締結書面が増えて煩雑になる
②協議していない事項があった場合⇒契約後のトラブルになる可能性がある
③奇抜な改装となった場合⇒再募集の入居ニーズを狭める
『借主側のデメリット』
①工事段取りと申請手続きが多い⇒通常の契約と比較して手間と時間がかかる。
②早期退去となった場合⇒イニシャルコストの負担が無駄になる

DIY型賃貸契約を行う上での注意点

≪賃貸借契約書以外に工事内容やその他取り決め事項についての書面締結要≫

①借主より DIY 工事の申請書提出⇒貸主にて内容の確認

②工事内容の承諾

③原状回復や工事実施者など具体的な取り決めに対する合意書締結

(国土交通省「入居者がリフォームする、新しい賃貸住宅DIY型賃貸借のすすめ」)

通常の賃貸借契約とは異なり、工事実施者や退去時の原状回復や修繕義務、工事によって他の入居者とのトラブルになった時の責任の所在等を契約書に明記しておく必要があります。

小規模工事の場合、契約期間中は借主に DIY 実施箇所の所有権を認めると同時に、管理義務も借主が負うことが多いです。

また、退去時には所有権を放棄、DIY 部分を残地して原状回復義務を負わないという取り決めが一般的です。

まとめ

貸主側から見た場合、契約時に退去時の原状回復や DIY ルールにおいて取り決めが増えることで煩雑なイメージを持たれるケースが多いかもしれません。
しかしながら、築年数が古かったり、交通の利便性が悪かったりなど物件としてのメリットが打ち出しにくい物件であれば空室対策として検討する余地もあるかと思います。
DIY を認める事で退去時の付加価値の向上や、長期入居の可能性も期待できます。
すなわち、DIY 型賃貸はリフォーム費用を抑えて、入居率向上を目指す場合には有効な施策のひとつといえます。
テレワークやオンライン授業の実施等で生活態様が変化している現状を踏まえると、オンとオフそれぞれを自宅で過ごす時間が増えているユーザーのニーズを捉えることにつながります。
一方で借主側としても、DIY で自分仕様の内装や使い勝手の良さを見出すことができれば入居満足度の向上にもつながります。

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