大学生向け賃貸物件での合格前予約は受け入れるべき?メリット・デメリットを徹底解説!

大学生向け賃貸物件での合格前予約は受け入れるべき?メリット・デメリットを徹底解説!

大学生向け賃貸物件をオーナーとして管理していると、毎年の入試シーズンは大きな商機です。オーナー様の中には、「合格前予約」の受付について悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?入居希望者が合格発表前の早い段階で部屋を押さえることができる「合格前予約」。学生にとっては安心材料になりますが、オーナー側にはリスクが伴う面もあるため自分の物件に適した募集方法かどうかを慎重に考慮する必要があります。本コンテンツでは、合格前予約を受け入れる際のメリットとデメリット、合格前予約を活用して不動産投資を成功させるポイントについて詳しく解説します。

合格前予約とは?

大学生向け賃貸物件では推薦入試や内部進学などで既に進学が決まっている学生向けに行うフリーレントでの入居者の確保(例えば年内に契約自体は済ませ、家賃は翌年の3月や4月まで発生しない)という方法があります。対して合格前予約は、大学入試に合格する前の段階で、希望する賃貸物件を仮押さえできるシステムです。入居希望者は合格発表後に慌てて部屋探しをすることなくスムーズに新生活の準備を進めることが可能になります。

一般的なお部屋探しでは、物件の仮押さえは難しく、気に入った物件が見つかり次第本契約へと進めるため、入居希望の1~2ヵ月前に契約することが多いです。更に、大学生の場合は大学の合否が決まらなければ、確実に入居するかどうかは判断できないため、大学試験の合格発表が終わり次第、4月に入学を控える学生が一斉にお部屋探しに不動産会社に駆け込みます。そのため合格発表を迎える2月~3月頃はお部屋探しのハイシーズンと言われる理由です。

しかし、この大学の合格発表を待ってからお部屋探しをすると、希望通りの物件がもう残っておらず、入学までの数少ない日数で限られた物件の中からお部屋探しをしなくてはいけません。そこで、受験生のお部屋探しをスムーズにできるようにしようと始まったのが合格前予約です。

入居希望者は、ハイシーズン前の余裕のある時期に自分の希望条件に合う物件を見つけ、合格前予約の申し込みを行います。あくまでも仮の申し込みです。合格発表までの間、家賃は発生せず、鍵も入居希望者へは渡しません。合格発表後、入居希望者が合格した場合は本契約へと進み、不合格だった場合は予約がキャンセルされる仕組みになっています。

合格前予約は、学生はもちろん、親御さんにとっても大きな安心材料となります。受験勉強の期間に部屋探しをするといっても今はインターネット検索やオンライン内見が普及しているため、遠方の受験生がわざわざ現地まで内覧に来なくともお部屋探しができる時代です。自分の気に入った物件が仮押さえできる他、合格発表後は新生活の準備に集中でき、精神的な負担も軽減できるため、合格前予約を利用したお部屋探しはスムーズな新生活のスタートを切るための賢い選択肢と言えるでしょう。

 

合格前予約のメリット

早期に入居者を確保できる

募集活動は入居者から退去通知が来てから、おおよその原状回復に要する期間を予想し、次の入居可能日を設定して行います。退去通知は一般的に退去の1ヵ月前予告に設定している物件が多いため、学生が多いエリアだと卒業式の日程が近くなる1~3月に集中し、それに伴い競合物件数が一気に増えるのもこの時期になります。入居者のターゲットを学生に絞り、ハイシーズン前に募集活動ができる準備を整えた上で合格前予約を導入することで、他の物件よりも早く入居者を確保しつつ、ハイシーズンにおける競合物件との競争を回避できるというメリットがあります。

長期入居の可能性

入居者のターゲットが社会人、特に単身者の場合は転勤やライフスタイルの変化によって、入居から2年後の更新時に退去するケースや、それ以前に突然退去するケースも少なくありません。一方で、合格前予約を利用する学生は、一度入居すると入学から卒業までの4年間、同じ物件に住むことが一般的です。これは、学生が在学中にそのエリアに住む必要があるためで、長期的な安定収入が見込める点が特徴です。

競合物件との差別化

大学周辺の物件市場は競争が激化しており、ハイシーズンになるとどこの家主や不動産会社も家賃割引キャンペーンや家具・家電付き物件など、さまざまな特典で学生を惹きつけようとしてきます。さらに、毎年のように新築物件が建てられ、新築な上に前述したようなキャンペーンや特典をつけて募集を行うケースもよく見られます。こうした状況の中で、合格前予約ができる物件として早期から募集活動を行うことで、競合との差別化を図り、他の物件に対しての優位性を確保します。

 

合格前予約のデメリット

キャンセルによる空室リスク

冒頭でも述べた通り、合格前予約は、あくまで予約のため、不合格によりキャンセルとなってしまう可能性があります。合格発表後に予約がキャンセルされた場合、再度募集をかけるのですが、この場合、時間的なロスを考慮に入れる必要があります。再募集後、すぐに入居者が見つかればいいのですが、入居者が決まらないまま3月を過ぎると、新入生のお部屋探し需要が一段落してしまいます。3月後半になるとお部屋探しをする新入生も減っていきますので入居者を見つけるのがより困難となり、賃料の値下げや特典の提供などで条件を引き下げざるを得なくなるなど、再募集が難航するケースや、次の新入生のハイシーズンまで入居者が決まらないケースも考えられるため、この時期のキャンセルは家主にとって大きな痛手となってしまう可能性があるのです。このリスクを考えると、学生の入居にこだわらず社会人の入居も期待できる物件・エリアの場合は合格前予約が適さない場合もあります。

国公立大学の近隣物件は実施のハードルが高い

私立大学は内部進学や推薦入試などにより早い人だと9月頃から進学が決まってきます。この場合、進学することは確実ですので申し込みがキャンセルになることは考えにくくなり、4月の入居時期までの家賃免除をするだけで入居者の確保が可能になります。また私立大学の一般入試は1月ごろから始まり、合格発表も2月ごろに行われるケースがありますので早期に入居者の確保や再募集の手配が可能になりますが、国公立大学の入試スケジュールは、1月に大学入学共通テストを終え、そこから各大学の前期・後期試験、合格発表ともなると3月上旬から下旬頃と進学決定の時期が遅いため、合格前予約の実施が私立大学に比べ難しくなる場合があります。国公立大学での合格前予約は2月後半の前期試験日付近が山場となり3月上旬の合格発表までの短い期間が勝負となります。もしキャンセルが発生した場合、さらに3月末までの短い期間で再募集をかける必要が生じるため合格発表が早い私立大学に比べると、合格前予約実施のハードルは高くなると考えられます。

合格前予約を活用して不動産投資を成功させるためのポイント

早期段階での徹底的な退居時期の調査

合格前予約を成功させるには、早い段階で入居者の退去時期を徹底的に調査することが重要です。特に大学生の場合、入学時に入居し、4年後の卒業時期に退去するというサイクルが一般的です。このため、退去時期を早く正確に把握することが、不動産投資活動をスムーズに運用する鍵となります。退去予定日を早期に把握できれば、近隣の競合物件よりも先に入居者募集を開始できます。また、合格前予約を活用すれば、夏頃に進路が決定する内部進学の学生など、次の入居者を早い段階で確保することが可能です。その結果、ハイシーズンを満室予定の状態で迎えることができます。

さらに、ハイシーズン中に原状回復工事を依頼しようとすると、施工業者が繁忙期で予約が取りづらくなることが多々あります。工事が遅れると次の入居者を受け入れられないケースも発生します。しかし、退去時期を早めに把握していれば、余裕を持って工事の手配ができ、スケジュールや予算の管理もスムーズになります。これは、オーナーにとって大きなメリットです。

早期段階で入居者の退去時期を把握するためには、以下のような取り組みがおすすめです。

解約予告を早くもらえるような契約内容にする

普通賃貸借契約では一般的に入居者からの解約予告は解約の1ヵ月前予告としているものが多いですが、早期に退去時期を把握するために2ヵ月前予告として契約する方法があります。また、卒業式の翌日までに退去する内容や3月中旬までに退去した入居者へは3月分の家賃を請求しないものとした内容の特約を設けて予め契約し、余裕を持って次の入居者に部屋を提供できる準備をする方法もあります。

ポスティングでのアンケートや電話での調査

卒業や退去予定の確認には、9~10月頃からポスティングによるアンケート調査を行う方法があります。ただし、手紙離れが進む現在では、この方法での回答率は1~2割程度にとどまります。返信がない場合や、退去時期がまだ決まっていない入居者に対しては、卒業時期が近づく1月頃に電話で確認するのが効果的です。もし電話がつながらない場合は、SMS(ショートメッセージ)を活用するのもおすすめです。これにより、回答率は約5割程度まで向上します。さらに、契約者である保護者に直接電話で確認する方法も有効です。こうした対応を組み合わせることで、退去予定の情報を効率的に収集することができます。

▼当社で事前調査した事例

総戸数50戸程のマンションでは、学生の卒業に伴い約12戸前後の退去が予想されました。正確な退去数や退去時期を把握するためにアンケートを実施したところ、予想を上回る20戸の退去スケジュールを確認することができ、早期から原状回復工事や次の入居者募集活動に取り組むことができました。数戸は4月退去でしたが、それ以外の部屋については3月末までにすべて新契約を完了。また、4月退去の部屋についても6月までにすべて契約が決まり、最終的に満室状態を達成しました。

 

経験豊富な管理会社

合格前予約は学生物件の賃貸経営において魅力的なシステムですが、前述のとおりリスクも伴うため、専門的な知識やノウハウが必要です。さらに、退居時期の事前調査や予約受付など、事前準備には手間と時間がかかります。そのため、合格前予約の実施には、そのエリアにある大学の入試スケジュールや市場状況を把握した、経験豊富な管理会社に依頼することで、リスクを抑えつつスムーズに運営することが期待できます。

第一住建グループは大阪を中心に創業から50年以上、これまでに1万戸以上の物件を管理し、多くのオーナー様をサポートしてきました。

また、グループ会社である株式会社第一パートナー(INOVE賃貸)は、11年連続で日本一の志願者数を誇る近畿大学のある東大阪エリアにおいて、2023年度に近畿大学賃貸仲介件数No.1(2023年12月~2024年4月の近畿大学推薦店の入居者数)を達成するなど、実績を積み重ねています。

経験と知識を備えた専門のスタッフがオーナー様の専属担当として、満室経営を実現するためのご相談に応じます。賃貸経営にご満足いただけていない方や、物件の価値を高めたいとお考えの方は、ぜひ第一住建グループにお任せください。

 

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