入居者の不満・退去理由を活用した不動産投資

入居者の不満・退去理由を活用した不動産投資

不動産オーナーとして入居者が退去する本当の理由を把握しているでしょうか。不動産オーナーにとって、入居者が物件を退去する理由を正確に把握することは、物件の管理や運営を成功させるための重要な要素です。特に、卒業、転勤、結婚などのライフイベントに伴う「未然に防ぐことが困難な理由」による退去であれば対策は難しいですが、それ以外の物件や管理に対する不満が原因となっている場合、その不満を早期に発見し迅速に改善することで、不満を起点とした退去を防ぐと同時に物件の競争力を高め、収益性を向上させることが可能です。

退居理由を訊くことの重要性

入居者が退去を決める理由の一つには、物件や設備の老朽化による不便さや見た目の悪さが影響していることがあります。例えば、長年使用しているような古い給湯器やエアコンを交換しないままでいると、頻繁にエラーを起こしたり、省エネ家電よりも電気料金が多くかかったりしてしまうことに入居者は不満を感じてしまいますし、共用部分の老朽化に伴うクラックや部分的な破損・汚損を目にしていくうちに、それらをストレスと感じてしまい、時間の経過とともにそのストレスは蓄積し、最終的に退去を考えることにもつながります。
しかし、多くの入居者は、不動産管理会社やオーナーにいちいちすべての不満を連絡するのは面倒だ、クレーマーと思われたくないなどと感じており、日常生活に大きな支障がない限り、不具合や不満を報告せずに我慢しているケースもあります。結果的に、ストレスが溜まった頃に突然解約通知を出すため、オーナーや管理会社からすると「急な退去」と見えることがあります。
このような退去は1人の入居者だけでなく、他の入居者にも同じ不満がある可能性があり、同じ問題が原因で退去が連鎖するリスクも考えられます。したがって、退去の際には単に解約通知を受け取るだけでなく、なぜ退去するのかをしっかりと聞き出すことが重要です。
管理会社やオーナーが早い段階で入居者の不満を把握し、迅速に適切な対応を行うことにより、退去の決断を防ぐことができる可能性がありますので、小さな不満の段階での問題解消が理想となります。
こうした対応を積み重ねることで、入居者は「信頼できるオーナー・相談できるオーナー」という印象を抱くことになり、満足度は向上していきます。入居者満足度が向上し、不満が起点となる退去が減少すると、空室が減り、賃料収入が安定し、維持費や管理費の負担も軽減されます。結果として、不動産の資産価値が維持され、オーナーにとって大きな利益が確保されます。

入居者の声を拾い上げることができる不動産管理会社に任せる

入居者が抱える小さな不満を早い段階で解消できることが理想です。しかし、多くのマンションでは不動産管理会社やオーナーと入居者が連絡を取るのは、入・退去時や設備の不具合が発生したときがメインとなります。前章で述べた通り、生活に大きな支障がない小さな不満については、入居者が連絡するのが面倒だと感じるため、多くは報告されません。
そのため、入居者の小さな声を拾い上げるためには、入居者が「困っているわけではないけれど、ちょっと相談したい」というようなことを気軽に伝えられる窓口がある不動産管理会社に任せるのがおすすめです。具体的には、次のような体制を持つ会社があります。

対象不動産の近くに入居者が通えるような施設がある

・INOVE賃貸 近大前店

INOVE賃貸 近大前店は大阪府東大阪市にある賃貸仲介・不動産管理一体型の店舗で株式会社第一住建が運営しています。東大阪市は一般入試ののべ志願者数が11年連続No.1のマンモス大学である近畿大学の東大阪キャンパスがあることから、一人暮らしの大学生が多く住む街となっています。このためINOVE賃貸 近大前店は、賃貸仲介だけではなく多くの大学生が居住するマンションの管理を行っております。店舗はキャンパスから徒歩2分、近大通り(旧称 まなびや通り)に面しており、学生が通学の途中に立ち寄りやすい場所にあります。さらに、店舗はフリースペースとして無料開放され、学生が勉強や休憩に利用することができ、気軽にお部屋や生活に関する相談ができる環境が整っています。これにより、入居者との日常的なコミュニケーションが図られやすく、入居者の声を拾いやすい仕組みが整備されています。

・INOVE+

INOVE+は、美と健康をコンセプトに、株式会社第一住建が管理する建物にお住まいの入居者(INOVE+メンバーズ)がご利用できるサービスです。入居者は、毎月のお家賃のお支払いでヘアサロン、ネイルサロン、セルフホワイトニング・セルフ脱毛、健康カレーをご利用いただけます。(2024年9月時点)店舗は近鉄大阪線「長瀬」駅から徒歩3分、多くの近畿大学生の通学路にあるため、INOVE賃貸近大前店同様、学生が通学の途中に立ち寄りやすい場所にあります。ヘアサロンは美容師、ネイルサロンはネイリストと1対1、健康カレーは店舗内の席数を3席とし、各サービスは予約制を基本としているので、入居者はほぼ貸し切りの状態で利用できます。この環境を整えることで、入居者とスタッフの間で気軽に多くのコミュニケーションが取られる仕組みになっています。

入居者からの連絡手段にLINEを活用している

入居者からの連絡手段に電話とメールのみの対応をしている不動産管理会社もありますが、スマートフォンが普及した今、電話やメールでの連絡を億劫に感じる人が増えています。また先述しましたが、入居者の中には不動産管理会社に連絡することを面倒と感じている人も多くいるため、この連絡手段をいかに手軽にするかが入居者の声を拾い上げる鍵となってきます。そこで有効だと考えられるものが、入居者からの連絡手段にLINEを活用することです。NTTドコモのモバイル社会研究所が2023年4月に発表したレポートでは、全国・15~79歳男女・スマホ・ケータイ所有者の83.7%がLINEを利用しているとあります。実際に、弊社(株式会社第一住建)において電話とメールだけの連絡手段をとっていた時期とLINE導入後を比較すると入居者からの連絡が約3倍程になった事例もあります。
(参考:NTTドコモ モバイル研究所「LINE利用率83.7%:10~60代まで8~9割が利用」, https://www.moba-ken.jp/project/service/20230417.html,2024年9月6日アクセス)

入居者の声を今後の投資活動の改善に活かす

入居者から入った声を参考に今後の投資活動の改善に活かす方法をご紹介します。

例①  マンションの共用部が汚い

マンションの床や階段の汚れ、植栽の伸びなどの問題があれば、まずその時のマンションの状態と管理会社に依頼している日常清掃・定期清掃・植栽剪定などの内容や頻度を確認しましょう。日常清掃は掃き掃除や拭き掃除などがメインになりますが、清掃しても次の清掃までの間に埃やゴミが目立つようでしたら清掃の頻度を増やす必要がありますし、床の黒ずみなどが目立ってきた際は定期清掃を取り入れポリッシャー洗浄を重点的に行うことが望ましいでしょう。植栽の伸びは時期を考慮し、また植栽の種類や特徴も確認したうえで年1回~2回の剪定を検討するべきでしょう。
弊社では日常清掃に関しまして費用は時間単位でいただいております。マンションの規模やオーナー様の予算に合わせて、例えば1回あたりの清掃時間を2時間、頻度は週3回の間隔で清掃する物件から清掃時間を1時間に短縮し月に2回だけ行う物件まで、オーナー様とすり合わせしながら柔軟に対応しておりますが、清掃が行き届いている程マンションの状態や入居者の満足度も高い傾向にあります。

例②  部屋が狭い

部屋の狭さ・収納の少なさが問題になっていれば、部屋の収納力を上げる方法を考えてみましょう。

弊社では部屋の収納力を上げるオープン型の収納棚で、いわゆる「見せる収納」タイプの+Sという商品の設置をご提案しております。+Sは勉強机やテレビ台の代わりにもなるように高さ設計された棚と洋服や鞄が掛けられるハンガーパイプ、メモやプリントを磁石で貼っておくことができるプレートで構成されています。実際に弊社が保有する1Kマンションで設置導入したところ、部屋のグレードアップに伴い家賃を5,000円アップさせた状態で募集をかけ、結果すべての部屋でご成約をいただきました。この収納力UPの効果が資産価値向上だけではなく入居者満足度向上及び退去を防ぐことにつながっていくと期待しています。

関連記事:頭を悩ます1Kの収納問題を「棚とハンガーパイプ」で解消。賃料も5,000円アップ!

例③  隣人の生活音が気になる

木造や鉄骨造のマンションで壁の薄さが原因の場合は、原状回復工事の時にただクロスを貼り替えるだけでなく、グラスウールや石膏ボードなど吸音性の高い壁材を使ってリノベーションすることも検討しましょう。近年ではクロスの上から貼る吸音パネルも様々なデザインのものが販売されています。通常の原状回復工事に比べコストは必要ですが、工事実施により次回から「騒音」が理由での退去を減らすと同時に、「騒音」が原因で部屋探しをされているお客様からの成約も期待できます。

例④  部屋の設備に不満がある

・エアコンが利かない

近年、夏の暑さ・冬の寒さが異常レベルですが生活必需品であるエアコンの利きが悪いと入居者の健康を脅かす原因にもなることから、エアコンの故障を予防する策をとられているオーナー様もいらっしゃいます。お一人は、2年に1度全居室のエアコン(設備品扱い)の内機洗浄をご自身の負担で行われるオーナー様です。このような定期的な清掃はカビやニオイを抑制し、エアコンの利きも維持するだけでなく、入居者に長くお住まいいただくことにもつながっています。
もうお一人は故障する前の予防として10年に一度エアコンを交換していたことで故障の発生数を極端に減らし、コロナ禍の半導体不足が問題となった時でも、「故障後すぐに発注するも何ヵ月も待たされる」という事態を回避でき、結果的に入居者の満足度を保たれたオーナー様もいらっしゃいました。

・給湯器が壊れた

ある1室で給湯器が壊れたと入居者から連絡があったことをきっかけに、マンション内のすべての部屋の給湯器の年式を調査し、多くの部屋の給湯器がそろそろ寿命を迎えるからと、給湯器を一気に交換されたオーナー様もいらっしゃいました。入居者の不満発生やお湯が使えないという状況を防いだことはもちろん1台ずつ発注・設置するよりも一斉に交換する方が作業員の移動回数や手間を少なくすることができ、結果としてコストカットすることもできました。

小さな不満はクレームではなく入居者からのヒント

入居者が抱える小さな不満は、クレームではなく、物件や管理に対する改善のヒントです。早期にこれらの声を拾い上げ、適切に対応することで、入居者の満足度を向上させ、長期的な入居、賃料維持、資産価値の維持、安定した投資活動に繋げることができます。

第一住建は大阪を中心に創業から50年以上、管理戸数10,000戸以上の実績を持つ不動産管理会社です。入居者の声を拾い上げる取り組みとして挙げた店舗やサービスでは日々入居者のお声を聴ける環境が整っておりますし、そのお声をきっかけにした改善活動も豊富な経験とノウハウから最適な対策をご提案いたします。不動産投資に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。きめ細かなサポートで、オーナー様の不動産収益向上をお約束いたします。

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