家具・家電付きは空室対策として有効?1万戸以上の管理実績をもつ不動産管理会社が徹底解説

家具・家電付きは空室対策として有効?1万戸以上の管理実績をもつ不動産管理会社が徹底解説

不動産投資を成功させるためには、空室対策が永遠の課題です。私たちもプロとして、この課題に取り組んできました。その一つの手段としてよく挙げられるのが「家具家電付き」の物件です。しかし、「同じような立地・同じような間取り・同じような家賃なら家具家電付きの物件が選ばれる。じゃあ、うちも家具家電付きにした方がいいのでは?」と安易に決めるべきではありません。10,000戸以上の管理実績を持ち、多くの物件の募集活動を経験してきた不動産管理会社として、家具家電付き物件が空室対策として効果的かどうかを解説します。この記事では、家具家電付き物件のメリットとデメリットを整理し、効果的な活用法について詳しく説明します。私たちの経験から得た実践的なアドバイスが、オーナー様の不動産投資に役立つことを願っています。

ターゲットによっては空室対策として非常に有効

単身者

家具や家電が備え付けられている物件は、引っ越し時の手間やコストを大幅に軽減できるため、単身者に根強いニーズがあります。特に、初めての一人暮らしをする学生や新社会人、転勤のため単身で住む社会人にとっては、家具や家電を新たに購入する費用が大きな負担となります。しかし、家具・家電付きの物件なら、その出費を抑えられ、非常に魅力的に映ります。また、単身者の引越しは時間が限られていることが多いため、家具・家電付きの物件は引越し後すぐに生活を始めることができる点が好評です。このように単身者が入居者ターゲットになる場合、家具・家電付きは空室対策として非常に有効です。

▶入居者ターゲットとして単身者が想定される立地

大学周辺、ビジネス街までアクセスのいい立地

外国人

外国人にも強いニーズがあります。特に、出稼ぎや技能訓練、留学などのために来日して工場や日本語学校に通う外国人にとって、家具や家電が既に揃っている物件は非常に魅力的です。これにより、初期費用を抑え、経済的な負担を軽減できます。礼金や鍵交換代なども含め、引越しには様々な初期費用が発生するという概念が少ない外国人も多く、初めての日本での生活では予算の管理が重要な課題となるため、こうした利便性が大きな魅力となります。このように外国人が入居者ターゲットになる場合、家具・家電付きは空室対策として非常に有効です。

▶入居者ターゲットとして外国人が想定される立地

就労外国人を受け入れている工場周辺や日本語学校があるエリアへの移動をするのにアクセスのいい立地

家具・家電付きのデメリット

家具・家電付きも使い方によってはデメリットにもなり得ます。

新婚カップルやファミリー層などには選ばれにくい

新婚カップルやファミリー層にはあまり選ばれない傾向があります。その理由として、これらの層は既に自分たちの家具や家電を持っている場合が多く、使い慣れたものや自分たちが選んだお気に入りのものを使いたいと考えることが挙げられます。特に、新婚カップルは新生活をスタートするにあたり、自分たちの好みに合わせた家具や家電を選びたいという気持ちが強いです。また、ファミリー層は子供の成長に合わせて家具や家電を買い替えることが多く、既存のものではなく、自分たちのライフスタイルに合ったものを選びたいと考えます。こうした理由から、家具・家電付きの物件は、新婚カップルやファミリー層にはあまり魅力的に映らないため、これらの層をターゲットとする物件の場合、家具・家電付きは有効な空室対策とは言えません。またファミリー層では安価な家具家電では満足いただけず、デザイン性や機能性の高い家具家電でないと魅力的と感じてもらえないことが多いため、結果、費用面でも大きな負担につながってしまいます。

内覧時や写真の印象を良くするものではない

家具・家電付き物件の場合、設置されるのは冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、カーテン、シーリングライトなど、誰もが使う基本的なアイテムです。一方、ホームステージングではベッドやテーブルセットに加え、カーペットや観葉植物、間接照明などを配置し、見栄えを良くするための工夫が凝らされます。このため、ホームステージングには家具・家電付き物件よりも高い費用がかかることが一般的です。
家具や家電付き物件は単身者や外国人のニーズに合わせた初期費用を抑えるための対策としては有効ですが、インテリアの見栄えを重視するホームステージングとは目的が異なるため、内覧時や写真の印象を良くするものではないのです。

故障した時の対応が必要になる場合がある

良かれと思って設置した家具や家電でも、故障した場合にはオーナーが修理費用を負担しなければならないことがあります。これは、家具や家電が物件の設備として扱われるためです。水栓や給湯器が故障した場合と同様に、入居者が使用中に発生する故障(入居者の責によらない故障)についてはオーナーが責任を持って対応する必要があります。このように、家具や家電を物件設備とすると、初期の購入費用だけでなく、将来的な修理やメンテナンスの負担も発生する可能性があることを把握しておきましょう。

撤去後の保管場所や移動させる労力が必要になる場合がある

入居者が退去した後のことも考える必要があります。退去後、家具や家電を撤去する場合、それらを保管する場所や移動させるための労力、または処分する際は処分費やリサイクル料金が必要になることがあります。逆に撤去せず、次の入居者に使用してもらう場合でも通常の原状回復工事時のルームクリーニング費に加え家具家電品の清掃費も上乗せしなければなりません。このように、家具や家電を設置することで、入居者の募集に役立つ一方で、退去後の管理や手間、費用が発生することも念頭に置いておくべきです。

家具・家電付きを空室対策として効果的に活かす方法

プレゼントキャンペーンとして活用する

空室が長引かずに素早く入居者が決まれば、それに越したことはありません。しかし、募集が難航して長期の空室が見込まれる場合は、家具・家電付きのプランを検討するといいでしょう。
例えば、家賃5万円の部屋が6ヶ月空室だと30万円の損失になります。一方で、単身者向けの家具・家電一式を揃えるのに10万円程度です。この家具・家電を「限定●部屋の家具・家電プレゼントキャンペーン」とし、2ヶ月で入居者が決まれば、家具代10万円と2ヶ月分の空室損失10万円で済みます。つまり20万円の出費で済むということです。
このように家具・家電付きにすれば、空室期間を短縮でき、結果的に損失を最小限に抑えられる可能性があります。特に閑散期や繁忙期の入居者の入れ替えが激しい時期には有効な手段となります。
また、「プレゼント」と銘打つことで、入居者は退去時に次の住まいへ持参したり、不要であれば処分したりと自由に扱えます。物件の設備とはせず、プレゼントとすることで修理費用の発生をなくし、処分費も発生させない様にするのも一つの方策です。

修理対応の期間を1年間とする

家具・家電を新品で購入すると、それぞれメーカーの修理対応期間が1年付いていることが多いです。新品であれば、そもそも故障の可能性は低いうえに、万一の場合もメーカーの無償修理対応期間(通常1年間)内に収まるため、オーナー側の修理代負担を最小限に抑えられます。

まとめ

家具・家電付きの物件は、単身者や外国人をターゲットとする場合には空室対策として非常に有効な一方で、新婚カップルやファミリー層をターゲットとする場合は、あまり効果的ではなかったり、運用方法によっては却ってオーナー様の負担を増やしてしまうリスクになる可能性があります。
家具・家電付きでの募集を含め、空室対策をするにはターゲット選定や運用方法の工夫が必要です。空室対策については一概に言えない複雑な側面がありますが、大阪を中心に創業から50年以上、管理戸数10,000戸以上の実績を持つ当社なら、豊富な経験とノウハウから最適な対策をご提案いたします。空室に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。きめ細かなサポートで、オーナー様の不動産収益向上をお約束いたします。

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