不動産の売却に消費税はかかる?

不動産の売却に消費税はかかる?

消費税の課税対象は以下の通りに定められています。

消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等および外国貨物の引取り(輸入取引)です※1

消費税は日用品や食料品にも課税されており身近に感じますが、不動産の売却ではどのように課税されるのでしょうか。本記事では売却時にかかる経費から不動産の種類別、売主別に課税の有無、課税対象の項目や計算例を交えて解説します。
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(※1)電気通信回線(インターネット等)を介して、国内の事業者・消費者に対して行われる電子書籍・広告の配信等のサービスの提供(「電気通信利用役務の提供」といいます。)については、これまで、国内の事務所等から行われるもののみ消費税が課税されていましたが、平成27年10月1日以後、国外から行われるものについても、消費税が課税されることとされました。(国税庁,「No.6105課税の対象」,2022年9月12日)

売却経費の項目

不動産購入時の諸経費は火災保険住宅ローンの保証料、固定資産税や管理費の清算金…と様々な項目があり、購入する物件価格の約10%とも言われていますが、売却時は必要経費が少なく売却金額の約5%と言われています。
具体的な項目は以下の通りです。
・売買契約書に貼る収入印紙代
・不動産仲介業者に支払う仲介手数料
・司法書士に支払う登記費用
・住宅ローンの一括繰り上げ返済の手数料(残債がある場合)
その他、一戸建の売却で、隣地との境界標がない場合等は境界設置費用等がかかってきますが、一般的には上記の他は引っ越し費用や荷物の処分費用等がある程度です。

不動産売却は土地か建物かに分類される

■土地を売却した場合

土地については売却時、誰の所有物であったとしても消費税はかかりません。ただし、1ヵ月未満の貸付や駐車場などの施設利用に伴って土地が利用される場合は非課税にはなりません。

■建物を売却した場合

土地は基本的には非課税ですが、建物は一戸建もマンションも課税対象となります。ただし、こちらについては誰が売主かで、課税の有無が異なります。以下の個人・法人・個人事業主の場合について解説します。

個人が不動産を売却した場合

消費税が課税される大前提として「事業者が事業として対価を得て行う」が条件のため、個人間同士での売買について、土地・建物どちらも非課税となります。
ただし、不動産売却時に受けるサービス(前述した4つの項目のうち3つ)については消費税が課税されているため、サービス料金+消費税分を支払わないといけません。

仲介手数料にかかる消費税

不動産仲介業者に依頼する場合の手数料です。仲介手数料は宅地建物取引業法で上限金額が以下の通りに定められています。

多くの不動産が400万円以上で取引されるため、「3%+6万円」という言葉がよく知られていますが、仲介手数料は上記の通り、物件価格(税抜き)に応じて変動します。
例)3,000万円で不動産を売却した場合
3,000万円×3%+6万円=960,000円
960,000円×10%=96,000円 ←消費税
仲介手数料にかかる消費税は96,000円となり、売主は合計金額の1,056,000円を不動産仲介業者に支払います。

登記費用

売主から買主へ所有権を移転するためには登記手続きが必要になります。
登記費用を節約するためには売主自身でも登記手続きは申請できますが、間違いのないように正確に書類の準備・申請等を行う必要があるため、司法書士に依頼することが一般的です。
また、所有権移転の登記手続きは買主の費用負担となりますが、売主は売渡証書の作成や抵当権の抹消がまだ残っていれば抹消の申請が必要となります。
依頼する司法書士によって多少費用は異なりますが、約3~5万円程度が相場と言われています。
例)登記費用(司法書士報酬を含む)が3,000円の場合
30,000円×10%=3,000円 ←消費税
登記費用にかかる消費税は3,000円となり、売主は合計金額の33,000円を司法書士に支払います。

住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料

購入時に住宅ローンを組んだ不動産で売却活動時にまだ残債がある場合には、残債がある状態で新しい買主への譲渡はできません。この場合は残債を一括で繰り上げて返済します。
一括繰り上げ返済の手数料は金融機関によって異なりますが、一般的に固定金利のローンで~5万円、変動金利のローンで~5,000円と言われています。
*アンダーローンの場合
アンダーローンとは、売却価格が住宅ローンの残債を上回ることを指します。この場合、売却金額から住宅ローンを完済した上で、余った金額を受け取ります。
*オーバーローンの場合
オーバーローンとは、住宅ローンの残債が売却価格を上回ることを指します。債務者は貯蓄や親族からお金を借りる等をして不足分を補填しなければ売却することはできません。資金の手配も難しく、それでもまだ売却したい場合には、任意売却という債権者の同意を得た上での売却方法もあります。
参考:住宅ローンの返済が難しい時の対処法
例)繰り上げ返済手数料が5,000円の場合
5,000円×10%=500円 ←消費税
住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料にかかる消費税は500円となり、売主は合計金額の5,500円を借入先の金融機関に支払います。

法人・個人事業主が不動産を売却した場合

取引する不動産について、個人間では非課税でしたが、法人・個人事業主が不動産(建物)を売却した場合には基本的には課税対象となります。
*個人事業主…税務上の所得分で法人化せず個人で事業を行っている人
※土地の売却については、個人同様非課税取引となります。
※建物以外の課税項目は法人・個人事業主の取引についてもほぼ同じです。
法人・個人事業主の取引については、「課税事業者かどうか」がキーポイントになります。

免税事業者の判定
以下の項目に当てはまれば免税事業者となり、不動産(建物)について消費税の支払いは免除されます。
・前々年の課税売上が1,000万円以下の事業者
または
・前々年の1月1日~6月30日までの6か月間の課税売上や給与等支払金額が1,000万円を超える場合

建物

例)建物代金 1,000万円の不動産取引の場合
1,000万円×10%=100万円 ←消費税
2,000万円の土地と一緒に売却の場合、
売買金額は
2,000万円+1,000万円+100万円=3,100万円
買主は売主(法人・個人事業主)に対して3,100万円の売買代金を支払い、売主はその中から100万円を消費税として納めます。

まとめ

不動産売却の消費税について解説しました。いつもの買い物で支払っている身近な税金でも、不動産の取引となると、取引する不動産、個人・法人、課税事業者かどうか等、ケースごとに異なり、複雑で高額なものになります。
不動産取引において、経費の見積もり、支払いのタイミング、必要書類の準備などは必須事項であり、少しでも不備があると取引全体が上手く進行しない場合もあります。
不動産売却の消費税や売却経費などについて疑問点や不安がある場合は、不動産売却のプロである不動産会社に相談することがおすすめです。

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