コロナ禍の物件設備を考える

コロナ禍の物件設備を考える

未だ続くコロナ禍の2022年の賃貸業界状況について、コロナ禍での設備事情、弊社管理物件における傾向をまとめました。

2022年賃貸業界状況

2020年の春から始まったコロナ禍、その中で迎えた2回目の繁忙期において、賃貸住宅事業は単身者向け住宅の需要は未だ回復傾向とは言えないもののファミリー向け物件では一部都市圏で平均賃料が上昇に転じる地域も出始めるなど、明るい兆しを見せ始めております。
ただ、これはコロナの発生当初に見られた『強い拒絶』から社会経済活動を維持するための『消極的共生』へ国家・民心共に舵をきらざるを得ない状況が産み出したものではないかと思われ、防疫意識が薄れ爆発的に新たな感染を引き起こしている第七波を迎えたことを考えると楽観的にとらえることは早計です。
引き続き、あの手この手で少ないパイを奪い合う状況がまだまだ続くと考え、気を引き締め賃貸事業に取り組んでいく事を強く認識する必要があります。

コロナ禍での設備事情

多くの方が外出の自粛から始まりテレワーク、オンライン授業を経験し在宅時間が増えた事により、物件設備に関する考え方にも変化が見られます。
入居対策や設備投資を考えておられるオーナー様には参考になる内容ですので、気になる点は是非、担当営業にお声がけいただければと思います。

物件オーナー歴の長い方ほど、ピンと来ないかもしれませんが、ここ6~7年常にトップを占めているのがインターネット関連です。
インターネット普及当初はマンションタイプの導入がされているだけで満足していた 顧客の心も、今では無料で当たり前、引っ越し日当日に使えて当たり前という考えを持つ方が急速に増えております。特にコロナ禍で在宅時間が増えた事が結果に強く影響しており、全回答に占める割合も年々、高まっております。
他には宅配ボックスやオートロック、TVモニターホンなど家籠りをする上で役立つ設備に対するニーズの高まりがアンケート結果にもハッキリと表れております。

もちろん、すべての物件にてインターネット設備が導入出来るわけではありません。
運営コストも発生し、共益費に乗せるにしても入居中の方はなかなか値上げに理解は示しません、新規募集の方から徴収しても暫く差損は続いてしまうでしょう。
それでも反響獲得の強い一助になり長い目で見ればコロナ禍が治まったとしても有用な設備であるには変わりはありません。
なお、導入にかかるコストですが取扱事業者によって様々です。
単純に戸数あたりの料金から算出する業者もいれば、マンション規模から算出する業者まで多種多様です。

ただ調査は基本、無料の場合が多いのでドンドン頼んでみれば良いかと思います。
新築、築浅の物件にはインターネット関連の設備が入っているのは当たり前の時代だからこそ、賃料の抑えられている既存物件に一つ強力な武器として『無料インターネット』の導入を検討するのはいかがでしょうか?

弊社管理物件における傾向

下記は第一住建の名古屋支店におけるインターネット無料物件の入居率です。
合算で96.6%という数字は、非導入物件の91.2%に比べて非常に高いと言えます。
築年や構造、地区も関わる為、インターネット無料が理由と乱暴な結論付けは出来ませんが
部屋選びの大きな基準になっている可能性は読み取ることができます。

入居者の傾向として単身物件は独身男性の占める割合が多く、男性の方がインターネットをビジネスでもプライベートでも使う傾向が伺い知れます。
また、無線で使う為のWi-fiルーターの有無や、通信速度を気にする方も男性が多く、 近隣に工場など男性勤務が多い立地の物件だと優位性が増すかもしれません。

〇総戸数に対する入居戸数
Aマンション  名古屋市港区     1K・1LDK 49戸/全50戸
Bマンション 名古屋市中区     1K・2LDK・3DK 29戸/全30戸
Cマンション 名古屋市中区     1K 32戸/全34戸
Dマンション 甚目寺町        3DK 31戸/全32戸
Eアパート  美濃加茂市       1K 19戸/全21戸
Fアパート 大垣市          1K 12戸/全12戸

最後に

入居者を集める為の3要件は『立地』・『賃料』・『設備』であり、バランスよく満たせば、 自然と満室経営につながります。
ただ建築場所は動かせませんし、安易に賃料を下げると資産価値の低下へつながりかねません。
人気設備の追加は建物の価値を維持し、入居者を募集する上での切り札にもなるのです。
コロナ禍であがったインターネット設備の価値というものを活かすことをぜひ、お考え下さい。

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