売却した年の固定資産税も払う?清算方法や注意点などを詳しく解説します。

売却した年の固定資産税も払う?清算方法や注意点などを詳しく解説します。

不動産を所有すると所有者は毎年固定資産税を納める必要があります。
しかし、年の途中で不動産を売却した場合、固定資産税の支払いはどうなるのでしょうか?
本記事では固定資産税・都市計画税の基礎から売却時の清算方法、清算時に発生し得るトラブルまで詳しく解説します。
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固定資産税とは?

そもそも固定資産税とは、毎年1月1日時点で固定資産を所有している人に課税される税金で、固定資産が存する地方の自治体へ納付する地方税です。
*固定資産とは土地・家屋・償却資産のことです。土地は田・畑・山林・宅地等、家屋は住宅・店舗・工場、償却資産は土地及び家屋以外の事業用資産のことを指します。
固定資産税課税台帳に登録されている所有者が支払うため、例え日常的に住んでいない不動産であっても固定資産税は支払わないといけません。

固定資産税の計算方法

固定資産税の計算方法は以下の通りです。
固定資産税=課税標準額×1.4%

固定資産税の支払い方法

固定資産税の主な支払い方法は以下の6通りです。
・窓口での現金払い
・口座振替
・クレジットカード
・ペイジー
・電子マネー
・スマホ決済アプリ
年間の固定資産税を4分割(6月、9月、12月、2月)にして各納期までに支払う方法と年間分を一括で支払う方法があります。

都市計画税とは?

都市計画税とは、固定資産税と同様に固定資産を所有している人に課税される税金です。ただし、全ての固定資産ではなく、対象が市街化区域にある場合のみになります。
*市街化区域…既に市街地を形成している区域と、概ね10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべきとされる区域。都市計画法で定められています。

都市計画税の計算方法

都市計画税の計算方法は以下の通りです。
都市計画税=課税標準額×0.3%

住宅用地の課税標準の特例措置

固定資産税と都市計画税の算出のもとになる「課税標準額」は基本的には固定資産税課税評価額と同じです。
ただし、住宅用地の場合は土地部分について軽減措置が適用されます。住宅用地の軽減措置は以下の2通りです。

小規模住宅用地の場合

住宅1戸あたり200㎡以下の住宅用地の場合、固定資産税の課税標準額は6分の1に、都市計画税の課税標準額は3分の1になります。

一般住宅用地の場合

小規模住宅用地以外の住宅用地の場合、固定資産税の課税標準額は3分の1に、都市計画税の課税標準額は3分の2になります。

住宅用地の課税標準の特例率

不動産を売却した年の固定資産税も払う?

固定資産税の納税義務があるのは毎年1月1日時点で対象不動産の所有者だった人(売主)です。
年の途中で所有権が他の人に移るからといって支払い義務がなくなる訳ではありません。(対象不動産が市街化区域内にある場合は都市計画税も同様です)
ただし、1年分の固定資産税となると高額になるため、対象不動産の引渡し日において売主と買主とで清算するのが一般的です。

売主と買主とで対象不動産の引渡し日において日割り清算する

引渡し日前日までの分を売主、引渡し日以降の分を買主として、所有している日数で売主・買主とで固定資産税を日割り清算します。
起算日は主に関東では1月1日、関西では4月1日とされていますが、各自治体によって異なるため売買契約書等で確認する様にしましょう。

固定資産税(都市計画税を含む)の清算例(*)

売主:Aさん
買主:Bさん
起算日:4月1日の
固定資産税・都市計画税の合計 年間105,000円
引渡日 2022年10月7日(金)

⇒2022年1月1日時点の所有者はAさんのため、105,000円を納める義務はAさんに発生します。
ただし、10月7日以降はBさんの所有不動産になることから10月7日以降の分をBさんからAさんに支払うことで清算します。
売主の負担期間 2022年4月1日~2022年10月6日
買主の負担期間 2022年10月7日~2023年3月31日
2022年10月7日から2023年3月31日までは175日
105,000円×175/365日≒50,342円
BさんはAさんに50,342円を支払います。

固定資産税の清算時に発生し得るトラブル

起算日を間違えていた

上記清算例(*)の場合において、間違えて1月1日を起算日として計算してしまうと金額が大きく異なり、売主が固定資産税を支払う時に納める金額と違うとトラブルになりかねません。
ちなみに起算日を1月1日で計算した場合
売主の負担期間は2022年1月1日~2022年10月6日
買主の負担期間は2022年10月7日~2022年12月31日
2022年10月7日から2022年12月31日までは85日
105,000円×85/365日≒24,452円
BさんはAさんに24,452円だけ支払うため本来より25,890円少なく清算してしまうことになります。

評価替えを考慮していなかった

固定資産税(都市計画税)は3年に1度固定資産税課税評価額を見直し、毎年4月1日に発表します。(以下、評価替えという。)
固定資産税課税評価額が変われば当然清算する金額も異なるため、評価替えの金額が分かる前に前年度分の金額で清算するか、評価替えの金額が分かってから再度清算するかを決めなければいけません。
ちなみに、令和4年度は本来評価替えがある年でしたが、新型コロナウイルス感染症により社会環境が大きく変化したことを踏まえ、令和3年度の課税標準額で据え置きとなっております。

固定資産税(都市計画税)以外の清算方法は?

固定資産税と都市計画税の他にも売主・買主間で清算が必要な費用があります。

マンションの管理費・修繕積立金

マンションの場合、管理組合に毎月支払っている管理費・修繕積立金も清算対象になります。引き落としの変更手続きの関係で、引渡しの当月の日割り分と翌月の管理費・修繕積立金をあわせて買主から売主へ支払います。

水道料金

マンションによっては水道も管理組合で管理しているところもあります。水道料金は2ヵ月に1回管理費・修繕積立金とあわせて徴収しているところが多く、引渡前日までに売主が使用した水道料金が後日買主の口座から引き落とされてしまいます。そのため、引渡し日前日または当日に水道メーターを確認して前回の水道料金支払日から引渡し日までの水道料金を計算し、買主へ支払います。

土地の実測清算

土地の売買には、登記簿上の土地面積で取引する「公簿売買」と、現地を測った土地面積で取引する「実測売買」の2種類があります。一般的には公簿売買の方が主流ですが、買主・売主の合意により実測売買で取引し、登記簿上の面積と実測の面積が異なった場合はこちらも清算対象となります。

まとめ

不動産を売却した年の固定資産税・都市計画税について、それぞれの概要から計算方法、発生し得るトラブルまでご紹介しました。固定資産税・都市計画税の清算は正確に間違いなく計算しないといけない上、その時々によっての特例、追加で清算しないといけない項目等が絡んでくるため非常に複雑です。間違いのない様に安心して取引するためには不動産売却のプロである不動産会社に任せることがおすすめです。沢山の不動産売買を経験しているからこそ、確実かつ丁寧に、不動産売却を進めることができます。

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